「日本のETCが苦手です」 ジョン・ジェウンを覚えていますか?
「大東建託・いい部屋ネットレディス」初日、ツアー参戦2年目のジョン・ジェウン(韓国)が6バーディ、2ボギーの「68」でプレーして、4アンダー首位タイで滑り出した。
「全体的にアイアンショットが良かった。チャンスが来たときにバーディが獲れたことが大きかった」。前半を1バーディ、1ボギーで折り返した後半、終盤に入った15番からの3連続を含む5つのバーディで首位を捕らえた。「あしたもきょうのような静かな気持ちでがんばりたい」と語った。
国内ツアー初年度だった昨季は、初夏に優勝争いも経験するなど、立て続けにトップ10を記録してプチブレーク。最終的には賞金ランク35位で今季出場権を得た。フィギュアスケートの浅田真央選手に似ていると評判になり、日本でも急速にファンを獲得し、今ではサインの列ができるほどの人気を誇る。
だがツアー2年目の今季は、ここまで13試合に出場し、5試合で予選落ちを喫するなどなかなか浮上できずにいる。賞金ランクは前週を終えた時点で57位だ。
「今は予選通過すれば、それでも良いと思える。自分を追いこまなくなった」と決して憂いはない。競争の激しい韓国ツアーで調子が上がらず、一時は「ゴルフをやめたい」と思うほどの苦難を経験してきたためだ。いまでは「どうせ辛くてやめるなら、優勝してから」と思えるようになったという。
実は、クールで落ち着いた雰囲気からは想像できないほど、アクティブ派でもある。シーズン中はケガのリスクがあるため控えているものの、趣味として「ジェットスキー、ウエイクボード、スノーボードが好き」という27歳だ。
そんなジョンには、日本に来て2年目で驚き、まだ慣れずにいることがある。最近では自身の運転で、ツアー会場入りしているが、「韓国のETCは時速30キロくらいで通過できるけど、日本のETCは車がバーに近づくギリギリまで開かないからびっくりした」とか。いつでも安全に停止できる速度に減速して通過するルール、と伝えてはみたが、彼女の一番好きな日本語「なるほどね」は今のところ聞くことができていない。(山梨県鳴沢村/糸井順子)