「声援を力にできなかった」上田桃子、勝負どころでミス
国内女子ツアー「ヨネックスレディス」最終日、上田桃子はポラニ・チュティチャイ(タイ)にプレーオフで敗れた。5打差を追って3位から出ると5バーディ、1ボギー「68」でプレーし、通算10アンダーまで伸ばした。勝負所でミスが出て2季ぶりの優勝を逃すと「残念です」と肩を落とした。
本調子ではなかった。だが、勝てた可能性も十分にあった。この日、唯一のボギーとなった15番。前のホールをバーディとして首位をとらえた。4打伸ばし、勢いに乗っていた。パーパットは約60cmだった。慎重に放ったが、カップをオーバーした。「これもゴルフだと思って気持ちを切り替えてやったけど」と、悔しさを押し殺した。
最終18番(パー5)でバーディを奪い、プレーオフに持ち込んだ。勝負が決したのは、18番で繰り返されたプレーオフ2ホール目。グリーン手前左ラフからのアプローチは上り傾斜が激しく「グリーン面が見えなくて難しい状況だった」と打ち損じた。約5m残ったバーディパットは30cmほどショート。チュティチャイがバーディパットを決め、万事休した。
初日から大きな声援を送られた。この日はイ・ボミ(韓国)と同組で、多くのギャラリーを引き連れた。上田には「頑張れ」「よく決めた」と歓声が飛んだ。「熊本の地震があったからだと思う。新潟の方も経験しているので」と言う。新潟では2004年、07年とマグニチュード6以上の地震があった。「声援をもらったのに、力に出来なかった」と視線を落とした。
2日目には優勝について問われた上田は「今年はまだ優勝争いもできていない」と言った。募る悔しさで「今は(自分が)まだまだ、ということしか考えられない」と言葉少なに振り返った。敗れはしたが、今季初の優勝争いを演じた。次週「サントリーレディスオープン」で20代最後の試合を迎える。(新潟県長岡市/林洋平)