2016年 KKT杯バンテリンレディス

壁にヒビ、停電、断水…一ノ瀬優希は不安な夜に憔悴

2016/04/15 17:19
一ノ瀬優希は家族からは「(危ないので)東京に行きなさい」と言われている

会場に隣接する熊本県益城町で最大震度7を観測した熊本地震の影響で、国内女子ツアー「KKT杯バンテリンレディス」(熊本・熊本空港CC)は15日、大会自体の中止を決定した。コースから益城町を挟んで南にある同県御船町の自宅にいた一ノ瀬優希は、「壁にひびが入った」と動揺を隠せない様子でその瞬間を振り返った。

大会中止が決まった15日、関係者が対応に追われているクラブハウスに、一ノ瀬はキャディバックを取りに訪れ、取材に応じた。マスクをした顔に疲労の色は濃く、表情も茫然としている。

地震発生時は、両親と自宅のアパートにいて、「壁にヒビが入った」と青ざめるほどの揺れにあった。「妹は外出していたけど大丈夫だった」と家族全員の無事は確認できたが、停電と断水、そして大きな余震も続く中、不安な夜を過ごしてきた。震度7を観測した益城町には多くの友人が住んでいるといい、「まだ安否の確認ができていない友人もいる」と心配そうに語った。

今季は、いわゆる“選手会長”にあたるミーティング委員長を務める。ほかの選手たちのまとめ役が期待されるポジションだが、「本当にさっきの出来事だから…」と搾り出し、今は何も考えられないといった表情でうつむいた。(熊本県菊陽町/林洋平)

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