新・高校3年生の日に5位浮上! 勝みなみの強みとは?
史上初のアマチュア2勝目へ大きな前進だ。国内女子ツアー「ヤマハレディースオープン葛城」2日目、この日から高校3年生に進級した勝みなみ(17=鹿児島高3年)が2バーディ「70」で通算2アンダーとし、スタート時の28位から5位に急浮上。首位と3打差に詰め寄り、好位置で決勝ラウンドへと折り返した。
粘り強くパーを重ねてのノーボギーラウンドに、「すごく嬉しかったです」と雨に濡れた頬を緩めた。スコアメークを支えたのは、今年に入って好調をキープしているパットだ。前半2番で4m、1打目を大きく左に曲げた5番(パー5)では6mのパーパットをねじ込んでボギーを回避した。
今年1月の日本ゴルフ協会派遣のオーストラリア遠征で、パットの修正ポイントが見つけられたことが大きいという。パットに関する詳細なデータを数値化できる『パットラボ』を試したところ、アドレス時のフェースが実際の狙いより僅かに左側を向いており、テークバックに比べてフォローのスピードも早いという結果が出た。イメージとのずれが数値として明確になったことで、修正はスムーズに進んだ。
最年少でのツアー優勝記録で知られるが、若さやアマチュアであることに注目が集まる分、プレーの持ち味まで知る人は少ないかもしれない。実は、オーバーを恐れずにカップにねじ込む強気なパットこそ、快進撃を続ける勝のプレーの特長だ。
2015年に勝が出場した国内女子ツアーのスタッツ(参考データ)によると、パーオン率は57.1605%で、ツアープロの年間ランキングに照らすと77位相当。一方で、平均パット数(パーオン時)は1.7883で9位に相当する数字を残している。パッティングが勝のスコアメークで大きなカギとなっていることが分かる。
もともと強みだったパットの不安を消し去り、一皮むけた気配まで示しながらのリーダーボード急浮上。「あしたもアンダーを目指して、1つでもスコアを伸ばして上位争いをしたい」と、言葉に強気がみなぎり始めた。(静岡県袋井市/塚田達也)