2015年 サマンサタバサレディース

失格の憂き目から1年 前田陽子にツアー2勝目のチャンス到来

2015/07/18 18:55
ロングパットを沈めてノーボギーとした前田陽子が首位と3差3位に浮上

「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント」2日目を4打差16位から出た前田陽子が、3バーディノーボギーの「69」でラウンド。首位と3打差の通算4アンダー3位に浮上し、ツアー2勝目を射程圏内にとらえた。

強風が吹き荒れる中、9時3分にティオフした前田は、前半6番で7m強をねじ込んでバーディ発進。8番と15番のパー5では6m強を沈めるなど、「パットのタッチが合った」とグリーン上が冴えた。パターの握り方を、今週からショットと同様にオーバーラッピングに変えたことが奏功したという。

実は、昨年大会の最終日に、過少申告による失格処分を受けていた前田。2日目を終えて通算6アンダーの18位につけ、シーズンベストフィニッシュの期待もあった。だが、最終日の帰路で自身のスコア申告に誤りがあることに気付き、すぐにLPGA(日本女子プロゴルフ協会)に連絡。失格の裁定を受けた。シーズンベストどころか、獲得賞金もゼロという苦い記憶だけが残った。

それから1年。昨年11月「伊藤園レディス」以来の2勝目に向けて好位置につけたが、「(2勝目は)意識していない。それはやった結果なので」と前田は冷静だ。ただ欲しいものは「来年もツアーに出られるという安心感」。すなわち賞金シード確保だという。「安心できたら自分のプレーができるというのはある。守りに入ったらメンタルが弱くなってしまうと思うから」。

今季は4月の「ヤマハレディースオープン葛城」を2位でフィニッシュし、今週を前に賞金ランクは32位(シードは同50位まで)の好位置にいる。「ラッキーだと思うし、おかげで良い位置にいるので、それを活かしたい」。プロ転向の際に語った「1年でもツアーに出たい」という夢を、初優勝の翌年だけで終わらせるわけにはいかない。(茨城県阿見町/糸井順子)

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