2週連続Vへ…成田美寿々の敵はコガネムシ?
プロでも気になるものは気になる――。前週の「スタジオアリス女子オープン」で最終日に3打差を逆転して優勝した成田美寿々が、熊本県で開催されている「KKT杯バンテリンレディスオープン」2日目、33位から9位に浮上する追い上げを見せた。6打差の首位を追い詰め、2週連続優勝を狙いたいところだが…。意外な“敵”がいるのだという。
後半12番、残り115ydからの2打目。バックスイングに入った成田の腕と身体の間を、1匹の虫が飛んで通過した。手前からピンへと転がすイメージで打とうとしたショットだったというが、「バコーンとダフッて」イメージと違う飛球線を描いた。カップまで約13mの距離が残る形となったが、なんとか2パットでしのいでパーを拾った。
初日からショットの際に周りを飛ぶ虫が気になり、ついには「いないときもいるように感じて、ダウンスイングイップスみたいになった」。2日目も後半から「モゾモゾと出てきた」ことに悩まされ、何度もスイングを仕切り直したという。
この虫の正体は―。会場の熊本空港CC関係者によると、体長1cm前後のコガネムシの一種。2、3年に1回の周期で、3、4月の2カ月間だけ「イナゴの大繁殖のように」大量発生するのだという。ゴルフ場側では、殺虫剤を散布したり、手で集めて回ったりする対策を施しているが、「とても追いつかない」のが現状だ。
最終日に向け「グリーンは明日の方が硬いだろうし、上が崩れないと難しいかも」と戦況分析する成田だが、これまでに挙げた6度の優勝は、藤田光里、香妻琴乃、大和笑莉奈、穴井詩らとの勝負を制し、いずれも彼女らの「初優勝をつぶしてきた」。トップに立つ菊地の初勝利を阻む気概も見せる。
ただ、コース内のコガネムシは最終日になったからといって、いなくなるわけではない。「虫との戦いが多くなりそう」と話し、さすがに飛んでいないクラブハウスの中でも小さな虫の幻影に表情をゆがめた。(熊本県菊陽町/片川望)