“カッチカチ”はNG! 斉藤愛璃の見えざる肉体改造
日中を通して雨に祟られた「ヤマハレディースオープン葛城」2日目は、アンダーパーでホールアウトした選手がわずか6人という耐久戦となり、その一人、イーブンパーの30位からスタートした斉藤愛璃が7打差の2位タイに急浮上した。前半12番のイーグルを含む「69」をマークし、「今日は100点です」と会心のラウンドに自ら花マルを付けた。
10番から出た前半早々、「昨日から良かった」というショットでイーグルをもぎとった。左セミラフから残り144ydの第2打、7Iで打ったボールが直接カップインした。「朝からガマンのゴルフだと思っていた中で、貯金ができたのは大きかった。感触も良かったです」と笑顔で振り返った。
好調を実感するショットは、今季から方向性を変えたトレーニングのおかげという。もともと「トレーニング好き」を自負する斉藤は、昨季シーズン中も筋トレ中心のマッチョなメニューをこなしてきた。飛距離アップの実感はあったが、「いろいろな筋肉が張ってしまい、アドレスがしづらくなった」という弊害も生まれた。「毎日違う」という筋肉の張りは安定したスイングの妨げにもなり、スコアが安定しなくなった。
今季を前にトレーナーと相談し、柔軟でしなやかな筋肉に仕上げていくことにシフト。「筋肉が硬くならない」というストレッチ中心のメニューに、インナーマッスル強化の要素を加え、パワーよりも瞬発力を向上させる肉体作りに励んでいる。
おかげでスイングは「ここ数試合、だいぶ良くなってきた」と上向き。昨季から飛距離を落とすことなく安定性もアップし、「スイングがラクになり、疲れづらくなった」という相乗的な効果も得ているという。
女子ツアーきってのフォトジェニックとして注目を集める斉藤。体力も試される難コースの4日間で、見えざる肉体改造は開花するか。(静岡県袋井市/塚田達也)