メジャー初Vの勢い続く 鈴木愛が首位と1打差6位発進
2週間前の国内女子メジャー今季第2戦「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」で大会史上最年少優勝の快挙を遂げた鈴木愛が、「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」初日に2アンダーをマーク。首位と1打差の6位タイスタートを切り、20歳のニューヒロインが今週も躍動を続けている。
硬いグリーンと上空を吹き荒れる強風。選手たちはしのぎ合いの展開を強いられる中、鈴木は1番のオープニングショットを左に曲げてラフに入れるが、2打目を確実にグリーン手前に乗せて、2パットのパーでスタートホールを乗り切った。
「アイアンの距離感が合っていなかったので、すごくショートしたり、すごくオーバーしたり大変でした」と、その後も3番、5番とパーオンを逃すが、ショートゲームでしのぎ続ける。6番ではアプローチを寄せきれずにボギーをたたいたが、その後はショットの安定感を取り戻し、12番、13番の連続バーディでアンダーパーへ。さらに最終18番(パー5)をバーディで締めて2アンダー、首位に迫って初日を終えた。
ショットの復調に加えて流れを変えるきっかけとなったのは、ハーフターン後の約20分間のインターバルだ。「4、5mの距離感が良くなかったので、フックラインとスライスラインを練習した」。前週までの平均パット数1.7758は、ツアー全体で4位の数字。ツアーでも屈指のパット巧者は、優れた調整能力も垣間見せた。
メジャー制覇の周囲の反応は「勝った直後に比べたらだいぶ落ち着いた」と一時の騒動もおさまり、普段の生活を取り戻しつつあるという。「でも、あの試合は本当に疲れました」と、まだあどけなさが残る表情でにっこりと笑った。
その様子とは対照的に、コース内では早くも貫禄さえ漂わせる堂々のプレーぶり。難コースが演出する混戦の展開を、しのぎ合いから抜け出した2週間前の“勝ちパターン”へとつなげるか。(宮城県利府町/本橋英治)