プロテスト1位からの暗転 後悔と戦う20歳のシーズン
今週開催の「ヨネックスレディス」は開幕直前に、森田理香子や一ノ瀬優希ら10名が欠場。さらに、初日スタート前に大城さつきが体調不良により欠場となり、ウェイティング11番目、最後の1枠で出場チャンスが舞い込んだのは、昨年末のファイナルQTで92位に終わった倉田珠里亜だった。
倉田にとって、ようやく巡ってきた今季ツアー初戦。「久しぶりのレギュラーツアーの雰囲気の中で、いつもより集中できた」。5バーディ、1ボギーの「68」をマークし、「せっかくのチャンスを生かさないと、と思って、強い気持ちでラウンドした」との気概を、首位に1打差の4アンダー2位タイ発進へと繋げた。
2013年のプロテストトップ合格者。華々しくスタートしたプロキャリアはしかし、一転して下降線を辿った。トップ合格の資格により出場した同年の14試合で、予選落ち10回。賞金ランク108位でシード権獲得を逃し、さらに誤算だったのは同年12月のファイナルQTだった。通算23オーバーで14年シーズンのツアー出場権を逃す苦汁を味わったのだ。
倉田のQTランクで出場できるのは下部ツアーのみ。今季は「5回くらい出場した」というレギュラーツアーのマンデートーナメント(主催者選考会)はいずれも突破できず、「レギュラーに出られなくて悔しい」と、もどかしさばかりが募る日々が続いた。そして、ようやく痛感した、QTという過酷な戦いの重さ。
「ランキングが1つ違うだけで、後々で大きく違ってくる。(昨年当時は)QTがこんなに大事だとは分かっていなかったし、技術的にも気持ち的にも甘かったと後悔しています」
今季の目標を問われると、「ファイナルQTです」と即答した。その目は、全てが暗転する元凶となった、昨年末のリベンジに向かれている。「今年は絶対に上位に行きたい」。強い気持ちが、倉田を腐らせずに前を向かせるモチベーションになっている。(新潟県長岡市/塚田達也)