“藍超えV”の勝みなみ 次は“遼超え”最年少プロへの決断
国内女子「KKT杯バンテリンレディスオープン」で、史上4人目のアマチュア優勝を最年少で記録した15歳の勝みなみ。今回の優勝により、規定上はプロ登録が可能となったため、実現すれば国内ツアーでは男子の石川遼(16歳)を超える最年少ツアープロの誕生となり、高校1年生の決断が注目を集めることになった。
日本人としては2011年の松山英樹以来となるアマチュア優勝の快挙を達成し、笑顔の表彰式を終えた勝は、記者会見で「プロ転向の意思は?」と質問が飛ぶと、「まだ考えていません」と即答した。「元々、プロテストに受けてプロになるつもりだったので、今すぐは考えられないです」。
ただ、日本女子プロゴルフ協会の規定によると、優勝したアマチュア選手はTPD(トーナメントプレーヤーディビジョン)の単年登録が申請が可能で、協会が承認した場合、勝はプロとしての歩みを始める。TPD登録が完了した時点でプロゴルファーとして、今後1年間の試合に出場する資格も与えられる。
問題は、この規定には年齢制限条項がなく、過去に18歳未満の申請例もないこと。日本女子プロゴルフ協会では、「勝がTPD登録を申請をした場合は15歳の申請を承認するか審議を行う」としている。
勝がプロ転向を申請できる期限は優勝した翌日から4週間以内。5月16日の17時がリミットとなる。
この話を聞いた母・久美さんは「まずは娘としっかり話をして決めますが、学校に行きながらでもプロになれるなら、それもひとつの方法ですよね」と、プロ転向も視野に入れている。
勝は2週間後の「サイバーエージェントレディス」にも、アマチュアとして出場のエントリー済み。久美さんは「2週間後にはまたLPGAさんにお世話になりますので、それまでには結論を出せるかもしれませんね」と話し、現在は鹿児島の自宅を離れ、与論島に単身赴任中の夫・秀樹さんとも相談しながら決める考えを明かした。
勝がゴルフを始めるきっかけとなり、今でも練習に付き合っているという74歳の祖父・市来龍作さんも、会場でこの日の歴史的優勝シーンを目に焼き付けていた。どちらであれ、間違いなく人生が一変する決断のために、勝家では近日中に家族会議が行われることになる。(熊本県菊陽町/本橋英治)