渋野日向子「情けないの一言」唯一のバーディが14ホール目
◇国内女子メジャー第3戦◇日本女子オープンゴルフ選手権競技 最終日(6日)◇COCOPA RESORT CLUB白山ヴィレッジGC QUEENコース(三重)◇6479yd(パー72)
奇跡の大逆転の可能性はグリーン上でしぼんだ。6打差を追った渋野日向子は「72」にとどまり通算9アンダーの7位に終わった。唯一のバーディは後半14番(パー5)だった。計32パットを要し「入らなかったですね。情けない、の一言です」と落胆した。
18番(パー5)のグリーン周り。攻めの姿勢を貫き、チャンスをうかがい続けた20歳に労いの拍手が響いた。今季平均バーディ数1位(3.9146)も、3mを外すパー締めに、うつむいた。「なかなかバーディを獲れず、面白くないゴルフだった。その中でも応援してくださった」。来場者は今季最多の1万6091人。無念さをぐっと胸に押し込め、感謝の言葉を述べた。
照準を定めたナショナルオープンだった。「もうちょっと良い結果を出したいと思っていた。ショットは今週悪くなかったので」。強い風が吹いてグリーンが止まり、深いラフが選手を苦しめるなか、パーオン率は4日間合計で80%を記録した。仕留め切れず、余計に悔しさをにじませた。
同学年の大里桃子、畑岡奈紗の最終組の2つ前。前日、「最初からチャージしたい」と力を込めていた。13ホール連続でパーを並べた。後半12番(パー3)では下り1mのチャンスを外して、思わず天を仰いだ。傾斜途中に切られるピンを果敢に攻めるからこそ、残った難しいラインだった。「しっかりと上りのラインにつけられず、難しいラインに乗ったこともある。ただそれは攻めた結果。ストロークは悪くないと思う。ただ、もう少しパットを決めろよという感じですね」と自責の念を口にした。
賞金ランキング2位は変わらないが、ランク1位の申ジエ(韓国)とは約860万円差に詰めた。次戦は11日に開幕する「スタンレーレディス」になる。「もうちょっと上位に食い込みたかったのが、本音ですけど。賞金女王のためにこの試合は大事だと思っていた。課題はたくさん見つかった。この悔しさをあと何試合かにぶつけたい」。気持ちを切り替え、前を向く。(三重県津市/林洋平)