国内男子ツアー

殿堂入りゴルファー「那須の神様」小針春芳氏死去

2019/05/14 19:55

2012年に日本プロゴルフ殿堂入りした小針春芳(こばり・はるよし)氏が4月19日に老衰のため死去していたことが分かった。97歳だった。日本プロゴルフ協会が14日、発表した。葬儀は近親者のみの家族葬で執り行った。

小針氏は1921(大正10)年4月24日、栃木県那須塩原市生まれ。農家に育ち、高等小学校卒業後にキャディをしながらゴルフの腕を磨き、研修生だった19歳のときに「関東プロ」で浅見緑蔵とプレーオフを戦い、敗れたもののプロに認定された。

戦争で10年のブランクをはさみながら、55年の「関東プロ」で中村寅吉を破って34歳で初優勝。60年に廣野ゴルフ倶楽部で開催された「日本オープン」では、連覇を狙った陳清波のスコア誤記で優勝が転がり込み、「日本ゴルフ史上初の事件」とされている。

拠点の那須ゴルフ倶楽部一筋で、激動の時代を乗り越えて2度の「日本オープン」制覇を含む通算6勝、シニア競技では9勝を挙げた。「クリーク(5番ウッド)の名手」などと評され、「那須の神様」「那須の小天狗」との愛称でも親しまれた。