2018年 ミズノオープン

塚田陽亮は8000yd超のコースで伝説を残せたのか?

2018/05/26 19:57
塚田陽亮は難易度1位の9番でバーディ奪取。705ydの16番でも2オンチャンスはあったが

◇国内男子◇~全英への道~ミズノオープン 3日目(26日)◇ザ・ロイヤル ゴルフクラブ(茨城県)◇8007yd(パー72)

国内ツアー初の8000yd超えとなる全長8007ydに設定された3日目。最大瞬間9m/秒の風が吹き付け、予選カット後の決勝ラウンドにもかかわらず、初日「73.811」、2日目「75.252」を大きく下回る平均スコア「76.913(+4.913)」を記録した。

最難関となったのは9番(493yd/パー4)。強いアゲンストが吹きつけて、ティショットでフェアウェイに届かない選手も散見された。バーディを奪ったのは、塚田陽亮とアーロン・ウィルキン(オーストラリア)の2人だけ。塚田の場合、1Wのティショットをフェアウェイに置き、2打目はピンまで残り220yd。3Iでピン上2.5mにつけてのものだった。

3日目を終えて単独首位に立つマイケル・ヘンドリー(ニュージーランド)も、この日は2オーバー「74」と落としたが、「きょうはパープレーぐらいのゴルフができたイメージ」と納得顔。過去にも8000ydを超えるコースでプレーしたことはないといい、「長さだけでなく、風の強さもプラスされているからね」とその難しさに舌を巻いた。

ザ・ロイヤルGCのコース監修に関わったツアー16勝の鈴木規夫は、1980年にオハイオ州アクロンにあるファイアーストーンCCで行われた「ワールドシリーズ・オブ・ゴルフ(現WGC ブリヂストン招待)」に出場し、コースの長さ、海外選手の飛距離に圧倒された経験があるという。「230ydを超すパー3とか、こっちはどう打てばいいの?ってやっているのに向こうの選手は4Iでグリーンに止めたりする。でもね、そういうところでやっていると、だんだん(クラブを)振れてくるようになってくる」という。国内初となる8000yd超のコースが生まれた背景には、そんな思いも込められている。

アゲンストの18番。ティショットをラフに入れると一気にタフになる

705ydに設定された16番(パー5)は、この日はフォローの風が吹いた。前出の塚田はティショットを1Wで“マン振り”して、グリーンエッジまで残り350yd。「ワンチャンスあるじゃんって。(2打で)届かして伝説残してやろう」と気合い十分。後方からはテレビカメラも狙っている。「そしたら、チョロさ。力入っちゃって…」と、3Wで左ラフに突っ込んで、220ydを残してボギーとした。

「それに比べて(同組の)武藤(俊憲)さん。ティショットは左に引っ掛けて、2打目は52度のウェッジで出しただけ。そこから300ydを“えい”って2.5mにつけてバーディさ。自分はなんで力入ってるんだって。アマチュアか!ってショックですよ」と肩を落とした塚田。「それもゴルフ…」とため息混じりとともに教訓を振り返った。(茨城県鉾田市/今岡涼太)

◆ツアー制度施行後(1973年)における18ホール最長ヤーデージ
1位:8007yd/パー72「ミズノオープン」2018年/ザ・ロイヤルGC(茨城県)
2位:7777yd/パー72「日本プロ東西対抗」1973年/旭国際東條CC(兵庫県)
3位:7700yd/パー72「関西プロゴルフ選手権」1975年/旭国際東條CC(兵庫県)

◆記録が残る92年以降の最長パー5ホール
1位:705yd「ミズノオープン」2018年/ザ・ロイヤルGC 16番(茨城県)
2位:660yd「日本オープン」2007年/相模原GC東C 3番(神奈川県)
3位:638yd「カシオワールドオープン」1992~04年/いぶすきGC開聞C 5番(鹿児島県)

◆記録が残る92年以降の最長パー4ホール
1位:535yd「フジサンケイクラシック」2015~17年/富士桜CC 5番(山梨県)
2位:532yd「ミズノオープン」2018年/ザ・ロイヤルGC 2番(茨城県)
3位:523yd「サン・クロレラクラシック」2006年/小樽CC 16番(北海道)

◆記録が残る92年以降の最長パー3ホール
1位:267yd「とおとうみ浜松オープン」2012年/グランディ浜名湖GC 16番(静岡県)
2位:263yd「TOSHIN GOLF TOURNAMENT」2010、11年/TOSHIN Lake Wood GC 14番(三重県)
3位:257yd「ミズノオープン」 2018年/ザ・ロイヤルGC 4番(茨城県)

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