川村昌弘がぶっちぎり最下位で得た“気づき”
◇国内男子◇~全英への道~ミズノオープン 初日(24日)◇ザ・ロイヤル ゴルフクラブ(茨城県)◇8007yd(パー72)
「台無しですね。そのひと言です」。ホールアウト直後の川村昌弘は、めずらしく怒ったように吐き捨てた。首位に並ぶ4アンダーで迎えた最終18番で、フェアウェイから9Iで打った2打目をグリーンに載せられずにボギーフィニッシュ。「ミスショットです。それまでの17ホールの良いプレーを台無しにする一打を打ってしまったことが残念」と、直前のプレーに頭の中は沸騰したままだった。
とはいえ、首位とは1打差の4位発進。ピンチらしいピンチも、最終1ホールだけという内容に「スコアだけみたら悪くない。チャンスも多かったし、パターが入れば“もっともっと”というプレーだった」と自信を見せる。
9番では、ティショットをフェアウェイ左にある池の近くに打ち込んで、球は砂の上、スタンスは水の中という状態。靴を脱ぎ、靴下も脱ぎ捨てると、そこから7Iで2.5mにつけてバーディ奪取。「あれはうまかったですね」と自画自賛するショットでギャラリーの拍手を浴びた。
「ちょっと気づくところがあった」というのは、今週月曜日に行われた全米オープン予選でのこと。1日36ホールをプレーして、上位3人が本戦に出場できる試合だったが、川村は第1ラウンドに「73」で25位。午後の第2ラウンドもボギーが先行して、本戦出場は絶望的となっていた。多くの選手が途中棄権も選択したが、川村は完走選手中ぶっちぎりの最下位となりながらもプレーを続行。すると「最後の3ホールくらい」で、“企業秘密”というスイングのポイントをつかんだという。
「今週はそこだけ意識して練習しました。飛距離も出ているし、アイアンも完璧ではないけど(ミスは)許せる範囲に収まっている」と、その感覚は持続している。前週の水・木と、フルバックで回ったこのコースでの2度の練習ラウンドは「84」と「79」。この日は総距離7726ydと比較的手前のティが使われたが、「69」と10打縮めた計算になる。
首位との差はわずかに1打。全米出場は逃したが、今週は上位4人に全英切符が与えられる。(茨城県鉾田市/今岡涼太)