クマVSユータ 同級生対決は塚田陽亮に軍配
◇国内男子◇ISPSハンダマッチプレー選手権 3回戦~決勝 4日目(9日)◇浜野ゴルフクラブ(千葉)◇7217yd(パー72)
準々決勝で敗れた4人による5位タイ決定戦が行われ、塚田陽亮が池田勇太との同級生対決を2&1で制した。賞金850万円を獲得し、93位(約305万円)だった賞金ランキングは40位前後に浮上する見込みとなった。
パッティングが振るわない池田をリードした塚田は、最後にスーパーショットで引導を渡した。1UPで迎えた17番、残り128ydからの第2打をPWでピンそば50cmにつけてバーディフィニッシュ。「最後に“今日イチ”が出ました」と好敵手を振り切り、白星で全5戦を締めくくった。
「本当はお互い(準々決勝で)勝って(準決勝で)当たればよかったんだけれど…」という塚田と池田は1985年生まれの同級生。小学生時代から互いを「クマ」、「ユータ」と呼び合う仲。家族ぐるみで親交が深い。「僕はガキの頃、今よりも太っていたからクマって呼ばれた」と塚田。「ユータは昔からあんな感じ。小学校6年生でセカンドバックを持ってましたからね。もっとガニ股で歩いていたし。ティなんかメチャクチャ指していて、ほんとにジャンボさんみたいだった」と明かす。
互いに切磋琢磨…といえば聞こえがいいが、実際のところ、この世代はジュニア時代に池田が圧倒的な力を誇示してきた。プロ入り後も同じで、通算17勝の池田のほかに同学年でツアーを制したのは塚田と2011年に1勝した諸藤将次だけ。「みんなユータを追いかけて、いつか追い抜いてやると思ってやっている」という。
前週の「フジサンケイクラシック」で2人は最終日に同組でプレーした。今週の活躍も池田は「オレと一緒に回ったからだ」と笑うが、塚田は「ただ、それも一理ありまして」と正直だ。「アイツの他愛のない会話がアドバイスになっていたりする。きょうは勝ったけれど、(実力的な)距離は縮まっていない」と、マッチプレーで相対したライバルの力を改めて感じたのも事実。「追いつきたい」の願望はいっそう大きくなるばかりだった。(千葉県市原市/桂川洋一)