2016年 三井住友VISA太平洋マスターズ

「勝ち癖にはいい経験」松山英樹の一問一答

2016/11/13 16:49
後続7打差の圧勝。松山英樹が強さをみせつけた

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日(13日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7246yd(パー72)

松山英樹が初日から単独首位の座を譲らず、自身初の完全優勝を遂げた。後続に6打差でスタートした最終ラウンドも「69」とスコアを伸ばし、通算23アンダー。2004年にダレン・クラーク(北アイルランド)が記録した大会最多アンダーパー(22アンダー)を更新した。2週前の「WGC HSBCチャンピオンズ」を制した、紛れもない世界トップクラスの実力をいかんなく見せつけた。記者会見での一問一答は以下の通り。

―5年ぶりの大会制覇。プロとしては初めての優勝
「良かったです。うれしいですね。5年前は3日間(雨で54ホールの短縮競技)だったが、今年より難しい印象もあった。それは多分、自分が海外の色んなコースでやる中で、成長した部分でそう感じているかもしれない。今年のほうが(コースは)易しかったかなという部分もある」

―前半にソン・ヨンハンとの差が縮まった
「前半を終わって3打差だった。ヨンハンがすごくいいプレーをしていたし、上がりも難しくなるので、早めに差をつけないと苦しくなると思っていた。11番、13番のバーディが大きかったかな。15番でバーディを獲って、ひと安心したという感じです」

―通算23アンダーは大会記録
「(最終ラウンドで)9アンダーを出せば日本ツアーの記録になると記事で読みました。初日から65、66、65と来ていたので、出せない数字ではないと。でも6番でダボを打って、その可能性がなくなりました。そこからは、ひとつひとつ伸ばしていければなと思った。後半に4つバーディが取れたので良かったです」

―最終18番は2打目を池に入れてからナイスパーセーブ
「池に入れてからは、まずボギーを打ちたくないと思いました。(1ペナ後の4打目は)残り70ydから、しょっちゅう入るわけでもない。入ったら、もっとカッコよく終われた(笑)。HSBCチャンピオンズの最終ホールも、23アンダーで迎えたパー5。セカンドを池に入れたのも一緒でした…。『似ているね』とキャディの(進藤)大典さんと話していました」

―パッティングの調子をキープしている
「パッティングは(技術の)レベルが上がったかもしれない。良くないと思う日でも“非常に悪いところ”まで落ちることは少なくなった。それが、うまく続いているので良い成績が出せるようになった。昨シーズンの『ドイツバンク選手権』くらいから良い感じで打てている。苦しいところで入ってくれている。悪い日もあるが、波が少なくなってきた」

―10月の「日本オープン」から4戦3勝。2位が1回
「たまたまじゃないですかね…(笑)。ただ、1日ハマれば(ビッグスコアが出れば)日本ツアーは勝てるなと思っている。今週はそれが3日間ありました。『日本オープン』は3日目(65)だけ良かったけど、勝てた。1日ハマれば、接戦になって勝てる。米ツアーは?3日ハマらなきゃ勝てないです」

―連日の大ギャラリー
「きょうは9番でボギー打った後、3打のリードはありましたけど、自分が苦しいところ、しんどい思いのときに『頑張れ』『これから、これから』という声には助けられた思いがあります」

―今週も多くの来場者にサインをした。ファンの存在の大きさは
「1年間、日本ツアーでやっていたら(日々)1000人以上にサインをするのは体調的にも持たない。でも、年間2試合しか出ない中で、断っていてはダメだと思う。僕を見に来てくれる人にはできる限り応えたい。期待されて、それに応えられるような選手でいたい。そのプレッシャー、期待がなければ、成長する度合いは変わってくる。たくさん(自分に)期待してくれている人がいる。それに応えようと必死。そういう意味で、日本では他の選手に比べたら…あ、リョウ(石川遼)以外の選手に比べたら、恵まれている」

―米ツアーを主戦場としながら日本ツアーで勝つ意義は
「難しいですけど…。勝つということはすごく自信になる。どこでやっても勝つこと、仮に(後続と)何打差開いていてもプレシャーがかかる。勝つことに関しては、日本はアメリカでプレーするよりは少しはチャンスがある。“勝ち癖”ではないけれど、それをつけるためには、いい経験になります」

―3年ぶりの御殿場だった
「先週の土曜日、練習ラウンドをしたとき『富士山ってこんなに大きかったかな』って思いました。晴れていてきれいだなあとずっと見ていました。気持ちが盛り上がるというよりは、落ち着くという感じです」

―次戦は石川遼とコンビを組んでW杯に出場
「結果的には最高だが、内容的には良くない。ただ、12番くらいからショットの感触が戻ってきた。そこはW杯に向けて楽しみかなと思います。結果的には良い流れで来ている。でも、チーム戦になったときに、今の調子じゃ足を引っ張ってしまう。『自分はこれが打てる』というものを試合までに見つけたい。遼もそういう気持ちで来てくれると思う。しっかり優勝争いをしたいと思います」

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