2016年 マイナビABC選手権

優勝は遠い記憶 7位の井上信が約2年ぶりに予選通過

2016/10/28 18:08
2004年大会のチャンピオン、井上信が7位の好位置で決勝へ

◇国内男子◇マイナビABC選手権 2日目(28日)◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7217yd(パー72)

シード落ちをした2014年以降、この2年で初めての予選通過。2日目を「69」で終えて通算5アンダーとし、首位と5打差の7位タイで決勝へと駒を進めた井上信は、「内容は良かったです。やっぱり」と安堵の表情で振り返った。

最近は下部チャレンジツアーを主戦場としてきた。「良いところじゃないですね。賞金的につらいし、なかなかプラスになる試合じゃない」というのが本音。ラフは短く、グリーンは重く、2日間競技が大半を占める下部ツアー。とりわけ高速グリーンが売りのABCゴルフ倶楽部とは、対照的なコンディションだ。「1年間チャレンジに出て、(今週の)あまりのグリーンの速さに戸惑った」という中で、今週は2日間で4度の3パットを喫してしまい「そこがもったいない」と悔やんだ。

それでも、チャレンジツアーで得たものもある。20歳前後の若者たちと競い合いながら、「そんなに見劣りするわけじゃない」と、自身のゴルフに手応えも感じられた。「久々の(レギュラー)ツアーで、まだちょっとやれるのかな」。その感覚は、今週の予選通過でまた一段と深まった。

今年、チャレンジツアーの賞金ランクは12位だった。来季レギュラーツアーの優先出場権が与えられるいわゆる“裏シード”の9位には届かなかったが、今大会で優勝を狙って複数年シード、なんて意気込むつもりはない。「もう何もないので、普通にやります。ファイナル(QT)次第ですから、(今週は)ぼちぼちやります」と、すでに気持ちは12月の最終予選会へと向いている。

04年の今大会ではマンデーを突破して優勝したが「どうやって優勝したのか・・・」と、今では遠い記憶となっている。「同級生の岩本(岩本高志)がシードを獲ったし、刺激にはなりますね」。ここが41歳の踏ん張りどころ。この冬を納得の形で乗り越えるためにも、勢いをつけたいところだ。(兵庫県加東市/今岡涼太)

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