男子ツアーは予定通り進行 県勢は不安の夜明け/熊本地震
2016/04/15 19:25
熊本県で14日(木)に発生した大型地震を受け、国内女子ツアーの「KKT杯バンテリンレディスオープン」(熊本県・熊本空港CC)の中止が決まった15日(金)、三重県で開催中の国内男子ツアー「東建ホームメイトカップ」(東建多度カントリークラブ・名古屋)は予定通り2日目の競技が行われた。日本ゴルフツアー機構(JGTO)は同県出身または在住のツアーメンバー本人、家族の安否を確認した。
いずれも6アンダーの首位タイから同組でスタートした永野竜太郎と重永亜斗夢はともに熊本県出身。「74」(パー71)で、通算3アンダーの6位タイに後退した重永は「頑張っている姿を何とか見せたい気持ちがあった」という。地震発生は昨晩宿舎で知り、熊本空港のある菊陽町の実家にいた夫人に電話で連絡をとった。家屋の損壊に備え、夫人は3歳の長女と生後11カ月の次女を抱えて自家用車に避難した。
重永の実家から徒歩圏に住む木下康平は両親が今大会の会場に応援に駆けつけていたため、地震当時、自宅には祖母だけが残っていた。連絡が取れたのは一夜明けたこの日の午前5時頃。「(祖母は)ずっとテーブルの下で震えていたそうです。自分は気が気でなく、(スタート前の)練習どころではなかった」と不安を抱えて試合に臨んだ。
熊本市内在住の秋吉翔太も、最初の地震発生から数十分後に家族に連絡が取れた。家屋に破損はなかったが、テレビや仏壇などの家財道具が散乱。自家用車は駐車場から路上に押し出されたという。過去にキャディを務めたこともある父の卓さんは消防隊員で、地震の直後には緊急出動していた。(三重県桑名市/桂川洋一)