賞金王目前も…孔明「何日間も熟睡できていない」
自身初の賞金王へと突き進む小田孔明は、国内男子ツアー今季最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」3日目を2バーディ、2ボギー、1ダブルボギーの「72」(パー70)で回って通算2アンダー。首位と5打差の9位タイと優勝争いからは後退したが、賞金王の可能性を残す藤田寛之、近藤共弘、岩田寛はオーバーパーに沈み、ほぼ終戦模様。“王”への道は18ホールのカウントダウンに入った。
「有利なことは初めから分かっている」という小田だが、やはり賞金王の重みは別格だ。今季バーディ率で2位につけ、1ラウンドあたり平均4.15個のバーディを奪う小田だが、初日を除き、この2日間で奪ったバーディはわずかに3つ。「もっとバーディが来ないといけないはずなんだけど、来ないのが分からない。見えないプレッシャーがずっと自分の背中にある感じ」と、分厚い背中で必死にその重圧に耐えている。
ドライバーは「まったく問題ない」と次々にフェアウェイをとらえながらも、カップが遠い。「今までの自分だったら手が動くはずなのに、打てなくてショートしたり――」。パット数は25→31→34と連日その数を増している。「もっと簡単に行けるんじゃないかと、自分に言い聞かせながら回っているけど、体が思い通りに動かない」。
ここ数日、眠りも浅く、夜中によく目が覚めるという。「最後の試練だと思って、受け止めてやるしかないっすよ」。そう、その試練も今夜で最後だ。
「藤田さんとか、もっとすごいプレッシャーが掛かっているだろうし、その中で有利なはずの僕が落としていくというのはまだまだかなと。最後、オーバーパーで見ているのも寂しいので、5アンダーくらいで回って笑って賞金王を獲れたらいい」
昨年は感動の涙で幕を閉じた日本シリーズ。明日の最終日にはどんな涙が待っているのか?(東京都稲城市/今岡涼太)