松山英樹が単独首位で“勝率75%”の最終日へ
「この3日間、集中できていると思う」。ホストプロの責任に加え、4カ月ぶりの国内ツアー参戦に、海外選手を迎え撃つ日本人選手としてのプライド。押しつぶされんばかりのプレッシャーは、逆に松山英樹の神経を研ぎ澄ましているようだ。
宮崎県フェニックスCCで行われた「ダンロップフェニックストーナメント」3日目、松山はノーボギーの4アンダー「67」(パー71)をマークして、2位に2打差をつける通算14アンダーの単独首位。国内ツアーにおいては、最終日を首位で迎えたときに75%、最終組で迎えたときには80%と高い勝率を誇る松山が、ツアー通算6勝目をはっきりと視界にとらえた。
松山は10アンダー、ジョーダン・スピースとホ・インヘ(韓国)が9アンダーから出た最終組。前半9ホールは3人合計6バーディでボギーはゼロ。ピンと張り詰めた心地よい緊張感が組全体を包みこんだ。
2つスコアを伸ばして折り返した松山は、10番でフェアウェイからの第2打をグリーン左のラフに外し、アプローチも2.5mショートして、この日最大のピンチを迎える。だが、このパットを冷静に流し込み、キャディと静かにグータッチ。「あのパーパットがすごく大きかった」と振り返った。
首位に並んでいたホが12番でトリプルボギーをたたき、代わって11番からの3連続バーディで松山に並んだスピースが17番でダブルボギー。その間、松山は14番で2m、最終18番は5mのバーディパットをカップに沈め、終わってみれば2位との差を2打差に拡げた。
「この試合に勝ちたいので、そのために2打差で終われたのはすごく大きい」。
通算12アンダーで2位につけるスピースとは4日間同組で回ることになる。「これから米ツアーでもこういう戦いをしていきたい。その初めの一歩として、ジョーダンに負けないように。他の選手も上がってくると思うので、負けないように伸ばしたいと思う」。
築いた2ストロークの貯金。追いかける方からしてみれば、極力危険を避けながらもチャンスではピンを攻め、仮に曲がったときにも抜群のアイアンコントロールでピンチをしのぐ松山は、隙を見つけるのが難しい厄介な相手だ。一歩リードを拡げたその背中をとらえることは、決して容易ではない。(宮崎県宮崎市/今岡涼太)