「計算違い」の宮本勝昌 気がつけば首位タイ
国内男子ツアー「ANAオープン」の3日目、9アンダー2位で出た宮本勝昌が、1イーグル、2バーディとスコアを伸ばして谷原秀人と並び通算13アンダーの首位タイに浮上した。
谷原、藤本佳則の東北福祉大OBコンビと最終組でラウンドした宮本は前半、スコアを伸ばす2人に取り残されていた。「日本を代表するような2人ですから、フェウェイは外さないし、ピンに寄るし2人とも上手いなぁと思って見ていました」。1番から11番までパーを並べ、同組の2人だけではなく、後続にいたはずの選手たちにも追い越されていく。「びっくりしたのは、藤田さんが自分より上にいましたからね」。自身とは7打差、最終組よりも2時間早く出た藤田寛之が、スコアを9つ伸ばしてラウンドしたことに驚愕した。
静かにラウンドを続け、火がついたのは、同門の藤田のスコアを見てからだった。12番、14番とバーディを奪い11アンダーへ。「早く上がった藤田さんと同じ組でラウンドするには、もう1つバーディを獲って12アンダーにしないとダメだと思ったんですよね」。
17番(パー5)は、そのチャンスとなるホール。2打目でピンまで残り72ヤードのフェアウェイを捕えた宮本は「雨が強くなったので、スピンバックはほとんどないから、70ヤード運ぼうと思いました」と、ウェッジで“ライン出し”。その3打目は1バウンドしてカップに吸い込まれ、イーグルを記録した。「入っちゃいましたね。計算違い。藤田さんを一気に追い越しちゃいました」。最終18番で谷原がボギーをたたいたため、首位に並んで3日目を終えることになった。
「昨日は優勝してCA(キャビンアテンダント)の方々と表彰式の写真に収まりたいって言いましたけど。もう一つ、ANAの機内で流れる大会のダイジェスト映像に収まりたいんですよ。2年前の藤田さんの映像を見ていて、憧れですね」。
首位に立ったことでの緊張感や、最終日の意気込みなどははぐらかしながら、マイペースに言葉を発する宮本。最終日も混戦の中で静かに様子をうかがい、終盤に抜け出す作戦を立てているのかもしれない。(北海道北広島市/本橋英治)