2013年 三井住友VISA太平洋マスターズ

松山英樹の復帰戦「大丈夫、たぶん」 世界のキタノからの金言とは?

2013/11/13 18:25
プロアマ戦中のチャリティオークションで笑顔を見せる北野武さんと松山英樹。

国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」は14日(木)、静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで開幕する。9月の「ANAオープン」以来の国内参戦となる松山英樹にとっては、米ツアー参戦中に発症した故障からの復帰戦でもある。

10月に米ツアーの新シーズン開幕を迎えた松山は、2戦目の「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」を体調不良のためスタート前に棄権。マレーシアでの「CIMBクラシック」を25位タイで完走したが、続く4戦目「WGC HSBCチャンピオンズ」は2日目開始直前に背中痛を訴えて棄権した。

今月初めの緊急帰国後は、精密検査を経て休養に専念。一週間はクラブを握らず、練習を再開したのは前週9日(土)だった。御殿場では11日(月)から練習ラウンド。開幕前日のプロアマ戦を終えても「全然大丈夫ですよ、たぶん。大丈夫だと思います、たぶん」と言う状態。「試合勘以前に、練習場でも良い球を打てていない。試合になったら良いスコアで回りたいし、どれくらい我慢できるか」と、苦しい戦いになることを予感している。

そんな中、この日のプロアマはスーパールーキーにとって貴重な時間になった。映画監督ほか、マルチな才能を発揮する北野武さんと同組でプレー。“世界”を相手にする同氏に「映画のストーリーって、どうやって考えるんですか?」と聞くと「明くる日に浮かぶような話なら考えない方がいい。松山君も今日練習したことが、すぐに結果には出ないだろう?でも必死にやっているうちにパッとその技術が出るように、人と食事をしている時に急に話が浮かぶことがある。常に考えなければいけないけれど、結果を焦っちゃだめだ」と“金言”が返ってきた。

また、北野さんはギャンブルをしない自身の哲学についても披露。「麻雀をやって、いい牌が来たら、ツキがひとつ逃げる。どうせならツキは自分の仕事で欲しい。ダメなときの方が良いもんだ。ゴルフも良いことが続いたら、気を付けた方がいい」と忠告したという。

米ツアーを主戦場としている21歳の姿に目を細める北野さん。石川遼らの名前も引き合いに出しながら「日本を相手にしてちゃダメだもんなあ。我々の商売も、映画もね、日本で当たっても、たかが知れてる。外国で買ってくれなきゃ…。これだけインターネットや衛星が飛び回ってる時代。日本国内にいる必要なんかない」と、世界へ飛び立つ選手たちの背中を強く押した。

松山は米ツアー出場を一段落させ、今年の残りシーズンは賞金王戴冠に集中。「ANAオープン」終了時点で約9,809万円あったランキング2位(当時はS.J.パク)との差は、7試合連続で欠場したにもかかわらず、約6,038万円差(現在の2位はキム・ヒョンソン)を保った。我慢の秋を経て、もうひと踏ん張り。母国でリスタートを切る。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

2013年 三井住友VISA太平洋マスターズ