藤本佳則、日本人史上初の快挙なるか
ツアールーキーの藤本佳則が快挙達成のチャンスをつかんだ。3週前の「日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills」でプロ転向後5試合目にしてツアー初勝利をマークした22歳は、岡山県のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部で開催中の「~全英への道~ミズノオープン」で最終日を前に首位に2打差の通算9アンダー。4位タイにつけ、逆転での2戦連続優勝を射程圏にとらえた。
この第3ラウンドを最終組でラウンドした藤本は、前半アウトで「35」と、ひとつスコアを伸ばして折り返すと、後半出だしの10番から2連続バーディを奪取。しかし続く12番からの2連続ボギーで再び後退した。
それでも最終18番では3メートルのフックラインをしっかりと読みきってバーディフィニッシュ。「70」のスコアには「風も無いですし、日に日に状態が良くなっている中で、本当はもうちょっと伸ばしたかった」としたが、「ギリギリセーフという感じ」と優勝戦線に踏みとどまったことに満足感を示した。
初勝利からの2試合連続優勝となれば、1977年のセベ・バレステロス(日本オープン、ダンロップフェニックス)、2006年のジーブ・ミルカ・シン(カシオワールドオープン、日本シリーズJTカップ)以来、73年のツアー制施行後史上3人目。日本人選手では初めての記録となる。
緊張感あふれる上位でのプレーも「良い意味でリラックスできている。楽しかった」と笑顔が絶えない。「いままでは3日目でも最終組で緊張していた。優勝したおかげなのかなと思います」。自分の手でもぎとった自信が、スーパールーキーをいっそう強くさせている。最終組の一つ前でラウンドする最終日。上位4人が「全英オープン」出場権を獲得する今大会だが、周囲にそれを忘れさせるほどのインパクトを残すかもしれない。(岡山県笠岡市/桂川洋一)