ブラント・スネデカー独占インタビュー(3)
~手に入れたい2つのジャケット~
Q:今年、ハーバータウンで優勝した時、(優勝者に与えられる)プレードジャケットを手にして「生涯で勝ちたい2つのジャケットの1つを取ることができた」と言っていました。やはりもう一つは緑色のジャケット?
「もし生涯であと1勝しかできない、その後引退しなければいけないと言われたら、その1勝は絶対にマスターズ。マスターズ以上に勝ちたい試合はない。俺は南部の出身で、あの大会の雰囲気、コースを愛している。あの1週間は特別。参加しているということだけで幸せになれる試合。毎年、カレンダーにはマスターズの週には印を付けている。マスターズに出られていないということは、良いプレーをしていないということ。これまでに出場したメジャーでマスターズが最も優勝に近い試合だと思っている」
Q:それはコースとの「相性」以外にも理由がある?
「全ての条件が揃っている。もちろん相性もあるし、何度もプレーをしているから、落としどころも分かっている。グリーンも速くて難しい。俺はそういうグリーンが得意。ここ4、5年で俺はドライバーショットの精度を上げてきた。あまり注目されないけど、実はオーガスタを攻略するためにはドライビングの距離、精度が最も求められるコースの一つ。そういう意味で、俺は多くの選手にアドバンテージを得ていると思う。その1週間だけでいいから、アイアンショットの調子が良くてケアレスなパットミスをしなければ、思い出になる大会を送ることができると思う」
Q:2008年マスターズでは優勝できるポジションにいながら3位タイでフィニッシュ、悔しい思いしましたね。試合後に、予選ラウンドを共にしたトム・ワトソンから電話でアドバイスをもらったとか。
「そうだね。今年もそのアドバイス通りプレーしたよ」
Q:具体的には?
「彼の長年の経験から得た小さなことかな。例えば、13番のパー5。2打目からグリーンを狙おうとすると、目には見えない風が吹いていて思っている以上にボールが右に流される。だから完璧にドローボールを打ったと思っても、狙ったところより右に落ちるんだ。だから、2打目のアドレスに入る時には毎回グリップを確認して、いつもより強くドローボールが出るように微妙に変えている。これは15年、20年プレーしてきた選手からの貴重なアドバイス。彼と一緒に回った最初の年、俺のショットは右に流れハザードに入れてしまった。今年は全ラウンドでグリーンを捕えることができたし、ミスをしたとしても左に外しただけ。彼のおかげだね」