【GDO EYE】とっても新鮮、ボヤキ封印の藤田
2010/10/25 08:58
スコアが良くても、プレー内容が伴わなければ納得しない。会見でも景気の良い言葉は出ず、すっかり“ボヤキ節”のイメージが定着している藤田寛之。そんな藤田が、この日ばかりは様子が違った。「客観的に見て、たまには自分を褒めてあげていいかな」。
バーディ合戦についていけず、優勝を逃した「ブリヂストンオープン」最終日。「やっぱりショットが原因」と、いつも通りの反省の弁が続く。賞金ランク2位の座を守り、来月開催の世界ゴルフ選手権「WGC HSBCチャンピオンズ」出場を確定させたが、「楽しみだけど、状態は良くないので、あまり期待はしていません」との言葉通り、褒める対象はプレー内容ではない。
この日、賞金540万円を加算し、自身初となるシーズン獲得賞金1億円を突破。40代になって初の大台突破は、88年の尾崎将司、92年の陳志明、08年のプラヤド・マークセンに次いで4人目となる。「よくやったと褒められる数字。すごいねー」。滅多に耳にできない賛辞が、聞く側にとっても新鮮だ。
「まだ上がいるけど、今日だけは喜ぼうかな、と思います。家でシャンパンでも開けようかな」。夏場の大スランプからは脱しつつあるだけに、プレー内容でも“ボヤキ節”ではなく、今日のような景気のいい言葉を聞いてみたいものだ。(編集部:塚田達也)