2026年 日本オープン

勝負弱さを乗り越えた細野勇策 日本オープンを制し「楽しい時間が終わっちゃった」

2026/10/18 20:31
細野勇策が通算13アンダーで日本No.1ゴルファーに輝いた

◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 最終日(18日)◇タラオCC西C (滋賀)◇7411yd(パー70)◇晴れ(観衆3177人)

短いウイニングパットを沈めたとき、細野勇策は「楽しい時間が終わっちゃったな」と感じた。今季2勝目をつかみ、両こぶしを握って喜びをかみしめる。「すごくヒリヒリはしたんですけど、これを味わうためにゴルフをしている。それが楽しいなと感じた。同じシーズンに2勝目を挙げられて、それが日本オープンでできたことは誇りに思う」。ツアー初優勝は5月「日本プロ」。初勝利&2勝目がいずれも日本タイトルなのは、1973年ツアー制施行後で史上4人目。それを最も伝統ある1926年創設「日本プロ」と1927年創設「日本オープン」でそろえた初めての選手になった。

最終日は強風の中での戦い

最終日は、期間中で最も強い風が標高600mの高原コースに吹きつけた。風向きも3日間の北風とは異なる南南東の風だった。同じ最終組で1打差2位に2024年大会覇者で、元2年連続賞金王の今平周吾がいた。実力者との「マッチレースになる」と覚悟した。タフな条件でライバルが前半で5つスコアを落とす中、逆に2つスコアを伸ばし、後続に5打差をつけて後半へ。独走態勢を築いたかに思われたが、1組前を回る坂本雄介がチャージをかけてきた。それでも、11番で5mのスライスラインを流し込んでガッツポーズを作り、実測115ydの12番(パー3)ではスピンコントロールでピンそば1mに寄せた。通算13アンダーはパー70の大会最多アンダーパー記録を3打更新するニューレコードになった。

4日間を通じたパーオン率77.78%は全体1位

大会前には、父・誠一さんと恒例の調整。スイング軌道やアライメントを整えた。風向きや強弱に応じて、弾道の高さを低くするショットの技術の高さが際立った。勝負どころの最終盤も落ち着いていた。坂本と2打差で迎えた残り2ホールを「ボギーでも別にいいや」と思った。もし追いつかれたとしても、プレーオフでいいと開き直る強さがあった。初優勝後、8月の「KBCオーガスタ」は競り負けての2位。自身の「勝負弱さ」をかみしめた。「いつ証明できるんだろうなと思っていた。そこは成長した部分なのかな」。最後まで主導権を渡さぬ盤石の勝利に、たくましさがにじんだ。

いざ年間王者へ

日本では数少ないレフティとして、本大会では1981年羽川豊以来45年ぶりの優勝だった。「ゴルフを始めるときに右打ちにしちゃう人が大半。左利きで生まれた人が、そのままプレーしてもらうには環境づくりも必要。自分の力でどこまでできるか分からないけれど、活躍していけたらいいと思う」。この勝利で2027年のメジャー「マスターズ」と「全英オープン」の出場資格を獲得。さらにはポイント625ptを加算させ、年間王者レースでは2位との差を約927ptまで広げた。「これで落ち着かず、まだまだこれから3勝目、4勝目を目指していく」。ここで歩みを止めない。23歳には、活躍したい理由がある。(滋賀県甲賀市/中村文香)

2勝目も日本タイトル!

<日本プロ&日本オープンの同一年優勝者>
浅見緑蔵(1928、31年)、宮本留吉(29、36年)、戸田藤一郎(39年)、林由郎(50年)、小野光一(55年)、中村寅吉(58年)<以降、1973年ツアー制施行後>尾崎将司(74、89年)、村上隆(75年)、尾崎直道(99年)、片山晋呉(2008年)、細野勇策(26年)

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