「自分、プロゴルファーやってるな」 幡地隆寛は未知の最終組に喜びと学び
◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 3日目(13日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)
同じ最終組で回った比嘉一貴も金谷拓実も、幡地隆寛にとっては東北福祉大の後輩にあたる。それでも首位タイから出る心構えは「僕だけ優勝していない。優勝を経験した人がどういう(最終組で)雰囲気を出して、どういうゴルフをしているのか。優勝を狙うというより挑戦という感じ」とひたすら謙虚だった。
1番で幸先よくバーディ発進。2番で3パットボギーも、5番で2個目のバーディ。2日連続ボギーだった難関6番も左ラフからのセカンドはギリギリ右の池を越え、赤線の内側に止まった。池のフチにつま先立ちするようなアドレスから寄せ、1パットのパーセーブ。ポイントに挙げていたアウトコースを1つ伸ばして折り返し、401ydのパー4となる後半10番では自慢の1Wショットでグリーン手前までかっ飛ばしてバーディを奪った。
「自分、プロゴルファーやってるな」。ギャラリーを引き連れてのラウンドに幸せをかみしめながら、悔やんだのは一気に気温が冷え込んだ終盤。2ボギーを喫して迎えた最終18番(パー5)のセカンドは残り163ydの右ラフ。林が邪魔になっていたが、フォローの風を感じていたこともあり、普段170ydで計算している9Iでスライスをかけても十分に届くはずだった。
しかし、結果は右の池。「結局、(ピンまでは)20ydくらい足りていなかった。気温も落ちてきた中で自分の変化を把握しきれず、距離が足りずに池に入れてしまったのが心残り。経験しないと分からないことだと思うけど…」とうつむいた。
ドロップして寄せワンのパーでしのぎ、通算4アンダー2位と優勝争いには踏みとどまった。単独首位の谷原秀人は同じ広島出身で東北福祉大の大先輩。「僕がジュニア時代から憧れの選手。緊張というより、楽しみな気持ちがすごく強い。自分のやるべきことをひとつひとつやっていくことが、最後には優勝につながると思う」と学びの姿勢は崩さない。(静岡県御殿場市/亀山泰宏)