2021年 バンテリン東海C

米下部ツアーQTは見送り チャン・キムが賞金ランク1位に浮上

2021/10/03 18:12
チャン・キムが苦手コースを制圧して歓喜に沸いた

◇国内男子◇バンテリン東海クラシック 最終日(3日)◇三好CC西コース (愛知)◇7300yd(パー71)

チャン・キムが、有言実行の“2冠”を達成した。前日の競技終了後に行われたドライビングコンテストで優勝。「(ドラコン王者に続いて)優勝者として、もう一回インタビューを受ける」と自らに課したミッションを達成した。

前回2019年に続く連覇となったドラコンは“本命”と目されていた一方、トーナメントコースとの相性はいまひとつだった。過去4度の出場で最高は19位(2019年)。「なぜかこのコースに来ると、いいプレーができないと感じてしまっていた。フェアウェイが広くないので、横の“圧”を感じる。ラフに入れると出すのが難しい」と苦手意識すらあった。

単独首位から出たこの日のヤマ場は折り返しの9番。バンカーを渡り歩きながら、4mのパーパットをねじ込んだ。「ベリー、ベリー、ビッグパット。8番でボギーをたたいて、9番もボギーが続いていたら、後半に入る流れとして良くなかった。パーパットを決められて、自信を持ち直すことができた」

前週から1Wを「ピン G425 MAX」にスイッチ。4日間60台をそろえる助けとなった

サンデーバックナインに入ると、いきなり2連続バーディ。ボギー直後の14番パー4(380yd)では自慢の1Wショットをかっ飛ばし、セカンドの残り距離はわずか42yd。「(ティショットを)フェアウェイにさえ落とせれば、それくらいの距離を60度で打つのは得意。必ずバーディチャンスにつなげられると確信していた」とドヤ顔で話した通り、70㎝に絡めてバーディとリードを広げた。

今季2勝目で賞金ランキング1位に浮上したが、過去にはPGAツアー挑戦を模索してきた経緯がある。次週「ブリヂストンオープン」(千葉・袖ヶ浦CC袖ヶ浦コース)を終えた時点の同ランク5位以内という資格で米下部コーンフェリーツアーの予選会(QT)に11月のファイナルステージから挑むことも考えたが、コロナ禍で見送ることを決めた。

「本当は今年行きたかった。でも、移動の規制を考えると、楽ではない。今年は日本のツアーに集中して、チャンスがあれば来年チャレンジする」と言った。

優勝会見を終えると、「ブリヂストンオープン」が行われる千葉県まで愛知県から7時間のドライブ。「もし2位で終わっていたら、きっとここに車を置いて新幹線に乗っただろうね。勝つことができたから、ロングドライブだって楽しめる。途中で休憩も兼ねて、大好きなうどんを食べようかな」。188cmの巨体を揺らして車へ乗り込んだ。(愛知県みよし市/亀山泰宏)

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