QT1212位から下部ツアー8戦3勝で“昇格” 成り上がる19歳・久常涼
◇国内男子◇バンテリン東海クラシック 事前(29日)◇三好CC西コース (愛知)◇7300yd(パー71)
前週アマチュア優勝を成し遂げたばかりの中島啓太(日体大3年)が注目を一身に浴びる今大会、もう一人勢い十分の若手がいる。久常涼は下部AbemaTVツアーで3勝を挙げ、2007年に制定されたツアー規定の適用第一号となって残りシーズンのレギュラーツアー出場権を獲得した19歳だ。
コロナ禍の昨年プロ転向も、特別QTのランキングは1212位。出場機会がほぼ期待できない状況から、予選会からはい上がり、自身のシーズン初戦となった5月「太平洋クラブチャンレジトーナメント」で3位に入って次戦の出場権を確保。再び好成績で出場機会をつないだ3戦目「ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山」で初優勝するなど、8戦3勝で獲得賞金は下部ツアー史上初となる1000万円突破を果たした。
「去年QTに失敗して、予選会からスポットで出るしかないと思っていた。本当にこの場所にいられるのがうれしいですし、ワクワクしています」と全身から喜びがあふれる。
持ち味はキャリーで300ydを飛ばす1Wショット。「基本、刻みません。ドライバーを持って、セカンドでほかの人より短い番手で狙っていく。みんなそこまで(毎ホール)ドライバーを握らないので、Abemaでもアドバンテージを取れた」
スポット参戦したレギュラーでは今季5試合で予選通過2試合にとどまっているが、セッティングの違いに戸惑いはないという。「ジャッジミスでの予選落ちだったり(シンプルに)自分が良いプレーができていない。自分のプレーさえできれば、どこでも通用すると思っている。アバウトに攻めるだけではダメなので、よりマネジメントが必要になってくる」と話す。
2016年には14歳でツアーの舞台に立ったことも。5年が経ち、現在の体重は80㎏を超えている。「連戦が続くと食事量が減ってしまうので、いまは意識的に食べています。ちょっと重たい面はあるんですけど、飛距離も伸びていますし、より強い球が出ている。まだまだ脂肪が多いので、今後は筋肉量を増やしてケガに強い体を作っていきたい」。19歳はゴルフも体も成長が著しい。(愛知県みよし市/亀山泰宏)