上下ツアーを兼務 シード獲得を狙う3人が“下剋上”へ好発進
◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 初日(19日)◇ザ・ノースカントリー(北海道)◇7178yd(パー72)
穏やかな気候に包まれた午前中に、下部ツアーから巻き返しを図りたいメンバーが好発進した。首位と1打差の2位につける日本勢、竹安俊也、杉山知靖、上井邦裕はいずれもAbemaTVツアーとを往来する選手たちだ。
28歳の杉山は7月の下部「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE」で初勝利を挙げたばかりで、賞金ランキングは4位につける。レギュラーツアーでもランク44位とシード復帰へのチャンスは十分。今大会は2018年に最終日最終組でプレーしており(結果は18位)、持ち球のドローボールを打ちやすいロケーションが多いそう。「初優勝して良い流れで来ていると思う。あした以降も一打一打、集中してやりたい」と自信を深めた。
竹安は杉山の学年では1つ上の同じ28歳。賞金ランキング79位に終わった2019年末にシードを喪失した。新型コロナウイルス禍で2年にまたがった今季は、上下のツアーで奮闘が続く。
この日は「ぶっつけ本番で」使用したマレット型のパターが効果を発揮。3番(パー5)から3連続バーディを決め、前半からスコアを伸ばした。「シードに復帰したい。ゴルフ自体はシードを取っていた時よりも格段にレベルが上がっている。優勝を目指して一戦一戦、やっていきたい」とチャンスをうかがっている。
ベテランの域に差し掛かった38歳の上井は19年末にキャリアで2回目のシード落ちを経験。QT19位の資格で臨んでいる今季は、下部で4回のトップ10入りがあり、レギュラーでも賞金ランキング45位と復帰への道も開かれている。
7月上旬の「日本プロ」では足の負傷で棄権し、2週間の休養を経たあと地区オープン「中部オープン」で優勝した。「先週くらいからトレーニングを始めました」という中、今週はツアー3勝の岩田寛からは「企業秘密」というパットのアドバイスも大切にして好発進を決めた。
コロナ禍においては、外国人のシード選手がレギュラーツアー出場を見送らざるを得ないケースも多く、這い上がろうと必死の選手たちに出場権が巡ってくることが例年よりも多い。「レギュラーツアーだけ」でプレーする選手よりも、下部ツアーを兼務するプロのほうが、実戦の機会が多いのも事実だ。(北海道千歳市/桂川洋一)