初予選通過の石川航 目指すのは兄とは違う“自分流”
◇国内男子◇関西オープンゴルフ選手権競技 2日目(23日)◇有馬ロイヤルゴルフクラブ ロイヤルコース(兵庫県)◇7103yd(パー71)
今大会でレギュラーツアー出場9試合目となるアマチュアの石川航(21歳・日体大4年)が、通算1アンダー53位で自身初となる予選通過を決めた。
「日体大の後輩の中島啓太くんがプロの試合に出るたびに優勝争いをしていて、自分もやっぱり優勝を意識する位置でプレーしたいと思うようになりました。でも、優勝を目指したいといっても、毎回予選落ちしていてはダメなので、まずは予選通過を当たり前にできることがスタート。この結果はひとつ良かったのかなと思う」と喜んだ。
残り2ホールとなった17番。ティイングエリア横のリーダーボードを見て、あと1ストローク縮めないといけないことが分かったという。
「18番よりはチャンスホール。17番で獲らないといけない」という場面だったが、フェアウェイ右サイドからの第2打は前方の木がスタイミー(邪魔)となり、46度のウェッジでスライスを掛けて、左奥8mに運ぶのがやっと。だが、このバーディパットをしぶとくカップに流し込んだ。最終18番はバーディパットを1mオーバーして「ちょっと緊張しました」と笑ったが、無事にパーで切り抜けて予選通過を確定させた。
この日は1番をボギーとしたが、以降9ホールでパーを重ねて、11番以降の3バーディにつなげた。「前半は苦しかったけど、パッティングが良かったので粘っていればバーディが来るかなと思った」。切れ味鋭いウェッジやアイアンでバーディを量産する兄・遼とは違い、「パーを獲って粘っていけるようなプレーをしたい」というのが弟の目指すスタイル。この2日間もスコアを落としたのは3ホールだけに留めている。
「兄ちゃんみたいになったらどんな気分かなと思って続けてきた」ゴルフだが、弟も自分の道を進み始めている。「まだライバルにはなれていないけど、兄ちゃんとは別のやり方で、兄ちゃんと競い合えるくらいの選手になりたい」と、プロを目指して秋にはQTも受験するつもりだ。
そして、今もっとも影響を受けているのは1学年下の中島だ。「啓太はすごくマネジメントや考え方がしっかりしていて、『良いショットを打つだけがゴルフじゃない』と思っている。啓太の影響は全体的に大きいです」。ショットの調子があまり良くないという今週も「緊張しないで落ち着いてプレーできた」と切り抜けた。
「現在の実力だと難しいと思うけど、3日目、4日目でちょっとでも上位に食らいつけるようにしたい」と、一歩ずつ階段を上っていく。(神戸市北区/今岡涼太)