2020年 日本シリーズJTカップ

「例えるならジョーダン・スピース」金谷拓実のメンタリティを石川遼も絶賛

2020/12/05 17:50
金谷拓実は好調なパッティングでスコアを伸ばした

◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 3日目(5日)◇東京よみうりカントリークラブ(東京)◇7023yd(パー70)

金谷拓実は「いつくじけてもおかしくないようなラウンドだった」と18ホールを振り返って苦笑する。気温6℃の寒さに加え、雨が降り続く厳しいコンディションで「コースも長く感じた」。なかなかスイングのフィニッシュを決められないほど手に残る感触も悪く、パーオン率は30人中28位タイの44.44%にとどまった。

それでも5バーディ、3ボギーの「68」で首位と2打差の通算5アンダー3位タイ。2週前の「ダンロップフェニックス」で挙げたプロ初優勝から連勝を飾れば、ルーキーとしてはツアー史上初めて。快挙を狙える位置にいる。

ボギーなしの前半から微妙な距離のパットをねじ込み、左のがけ下に落とした10番でもパーをセーブ。11番では長いボギーパットを沈めて傷口を広げず、後半だけで2度のバウンスバックも決めた。本人は「ショートゲームでカバーできた。パッティングの調子が良かったので、自信を持ってストロークをすることができた」とグリーン上のプレーに胸を張ったが、この2日間を同組でプレーした石川遼は目に見えない強みにも触れた。

「プレーヤーで例えるなら、ジョーダン・スピースがわかりやすいと思う。イマジネーションとメンタリティに非常に長けている選手。特にメンタリティが素晴らしい。一緒に回っていても楽しいし、気持ちがいいし、大好きな選手ですね」

金谷拓実(左)と連日同組で回った石川遼はルーキーをPGAツアーの名プレーヤーに例えた

グリーン上で驚異的な勝負強さを見せてメジャー3勝を挙げ、世界ランキング1位にも輝いたスピース。2017年「全英オープン」優勝を引き寄せた最終日13番、練習場から放ったリカバリーショットは名シーンとして語り草になっている。

ショットがままならない状況でのプレーに、石川が絶賛する不屈のメンタリティが垣間見える。金谷は「自分には(心の中で)怒ってますよ。『なんで真っすぐ打てないんだ!』って」と笑い、「でも、次の状況で自分ができるベストのことをやり続けられるように、一打一打、自分のベストを尽くすことだけを考えています」と言った。

「このコースは本当に難しい。どれだけ粘り強く、我慢強くプレーするか。残り一日もやり続けようかなと思います。自分らしいプレーをして、優勝を目指して頑張りたい」。しぶとく食らいつく覚悟だ。(東京都稲城市/亀山泰宏)

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