無観客の悲哀…金谷拓実はロスト、ディボットにめげず予選通過
◇国内男子◇フジサンケイクラシック 2日目(4日)◇富士桜カントリー倶楽部(山梨)◇7566yd(パー71)
スーパーアマにとってもギャラリーの存在は心強いモノだった。開幕前、「プロの大会に出るとたくさんの方がいて、アマチュアの自分のこともたくさん応援していただいて、パワーになっていた」と金谷拓実(東北福祉大4年)は言った。この日はいっそう、そのありがたみを感じる展開になったかもしれない。
1オーバーの36位タイから出た第2ラウンド、最難関の前半5番でトラブルに見舞われた。グリーンを狙った第2打が大きく右に曲がり林の中へ。近くにペナルティエリアがないにも関わらず、金谷の球がどこにもない。枯葉の下か、深い芝の中か? はたまた木の上に“なって”しまったか? コロナ禍以前の石川遼と今平周吾とのグループなら、帯同するたくさんのギャラリーが見つけてくれた可能性もあったが、あいにくの無観客。ロストボールで処理し、このホールはトリプルボギーをたたいた。
さらに後半15番(パー5)、左ラフから刻んだ第2打はフェアウェイ上の小さな穴に食い込んでいた。ファーストバウンド、自ら作ったピッチマークに埋まったと分かれば、無罰で救済を受けられたが、これも見た人がいない…。競技委員を呼び、同伴競技者にも聞いたうえで、金谷は他選手の打球痕と判断。「自分も落ちた場所が分からなかったので、もしかしたら自分のかなと思ったけれど…」。その状態からショットした第3打はグリーン上でスピンがかかりきらず、チャンスをつくれなかった。
決勝ラウンドを前に首位とは7打差の1オーバー35位タイ。ロストボールのシーンは「やっぱりセカンドショットがひどかったので。修正してあしたはその5番で取り返したい」と潔く言った。「最低限のプレーはできている。あしたからはパターを決められればビッグスコアを出せると思う」。猛追への気持ちは揺らいでいない。
【ゴルフ規則16】異常なコース状態(動かせない障害物を含む)、危険な動物の状態、地面にくい込んだ球からの救済
(中略)この規則は、プレーヤーの球がジェネラルエリアで自らのピッチマークにくい込んだ場合にも罰なし救済を認めている。
16.3a 救済が認められる場合
(1) 球はジェネラルエリアにくい込んでいなければならない。プレーヤーの球がジェネラルエリアにくい込んでいる場合にだけ規則16.3bに基づいて救済が認められる。
(2) 球が地面にくい込んでいるかの決定。プレーヤーの球は次の要件を満たした場合にだけ地面にくい込んでいることになる:
・そのプレーヤーの直前のストロークの結果作られた自らのピッチマークの中にある。そして、
・球の一部が地表面以下にある。
球が自らのピッチマークの中にあるのか、別の球によって作られたピッチマークの中にあるのかどうかプレーヤーがはっきりと分からない場合、入手できる情報からその球は自らのピッチマークの中にあると結論づけることが合理的である場合には、その球は地面にくい込んでいるものとして扱うことができる。