主役たちが大活躍! 男子ツアー復興へ向け意義深い1年に
2008年の国内男子ツアーは、近年にはないほどの高い注目を浴びる中で幕を開けた。隆盛を誇っていた片山晋呉の賞金王からの陥落、復活を遂げた谷口徹の存在。そして、史上最年少プロとしてルーキーイヤーを迎える石川遼。その中で迎えた開幕戦「東建ホームメイトカップ」では石川が3日目を首位タイで終え、いきなり最終日最終組に名を連ねる。最終的に優勝は新選手会長に選任された宮本勝昌が手にしたが、最終日に訪れたギャラリーは、最終日としては今シーズン最多となる1万5,262人を記録。今シーズンへの高い期待を一層掻き立てる、ゴルフファンに強い関心を抱かせる展開となった。
国内メジャー初戦「日本プロゴルフ選手権」では、片山が主役の座を独占した。大会レコードとなる通算23アンダー、2位に6打差をつける圧勝。他を寄せ付けない強さを見せ、永久シード獲得となる通算25勝に王手をかけた。その後は惜しくも勝利を逃す時期が続いたが、10月のメジャー第3戦「日本オープン」でついに25勝目を達成。最後の2勝をメジャータイトルで飾るド派手な演出を飾り、念願の永久シードを獲得したことも今シーズンを彩る大きなトピックスの1つだ。
シーズンも後半戦を迎えると、にわかに賞金王争いも過熱さを帯び始める。例年、候補に上げられる片山、谷原秀人が順調に賞金を重ねる中、そこに矢野東が参入。9月の「ANAオープン」で今季初勝利を挙げると、翌月の「ブリヂストンオープン」でも勝利。この2勝を含め、10試合連続でトップ10入りを果たすなど好調を維持し続け、片山、谷原、矢野による三つ巴の状態で終盤戦へと進んだ。
また、一時は予選落ちが続いていた石川も、終盤に入り一気に加速。「日本オープン」での2位を皮切りに、「マイナビABCチャンピオンシップ」でプロとしてのツアー初勝利を飾ると、その後も上位フィニッシュを続ける。最終戦を前にして史上最年少での獲得賞金1億円突破を果たし、最終的には賞金ランキング5位。新人賞も獲得し、自身も想像していなかった素晴らしいシーズンを送った。
賞金王は、「三井住友VISA太平洋マスターズ」でも勝利を挙げ、今季3勝を挙げた片山が奪還。谷原と矢野は健闘及ばず初タイトルを逃したが、男子ツアーの盛り上げ役に大きく貢献した。特に賞金ランキング2位で終え、初の海外メジャーも経験した矢野にとっては大きな飛躍を遂げた1年に。石川の活躍、片山のタイトル奪還、新たなスターの登場。男子ツアー復興に向け、この盛り上がりを来シーズン以降へ?げる意味でも、非常に意義のある話題性豊かなシーズンとなった。