横田真一 選手会長がシード落ち・・・その屈辱を跳ね除け復活を狙う横田に迫る!
文字サイズ レギュラーツアーを離れて感じたこと。そして改めて思うレギュラーツアーへの憧れ
昨年シード権を失った横田だが、今季チャレンジツアーで2勝し来シーズンはレギュラーツアー完全復帰の可能性が高い。シードを落とした直後には聞きにくかったし、彼自身答えられなかったであろう、その時の心境を語ってもらった。
――横田プロは負けず嫌いという性格ではないのですか?
「ボクの性格上、平和が一番という感じなので・・・もちろん優勝もしたいですが、そんなにガツガツしてもしょうがないと思っていたのが、勝負師としては良くないことだとは思いますね。もっと欲を出していかなければダメだったという反省はあります」。
――シード権確保に足りなかったものは?
「何か一つというのではないと思います。それは道具であったり、スイングであったり、考え方だったり・・・。時間の使い方、モチベーションの保ち方など、いろんなことが積み重なって昨年のシード落ちに繋がったんだと思います」。
――シード落ちが確定したときはどのような心境でしたか?
「正直全てが終わったな、と思いましたね。トッププロとしてはシードを落とすことは最低のことですから。一旦落ちて、すぐに這い上がれるほど甘い世界ではないと思っています。まわりからは励ましの言葉をたくさん貰いましたが、そのときの自分には何を言われても響きませんでしたね」。
――チャレンジツアーに出場されていますが、レギュラーとの違いは?
「チャレンジは上手いと目立つ、レギュラーは上手いのが当たり前です。選手のレベルも違いますが、コースのセッティングも全然違います。たまにレギュラーの試合に戻ってくると、練習ラウンドをしただけでも『はっ』と気付かされるんですよね。自分の中で死んでいた細胞が動き出すというか、使っていなかった筋肉が復活してくるんです。雰囲気的にも全然違いますよね」。
――それはシード落ちしたから体験できたことですよね
「もう一度レギュラーでシードを持って闘いたいと思うようになりました。レギュラーで戦えたありがたみというのは、シード落ちして初めて分かりますよね。なんでもっと頑張れるところにいたのに頑張らなかったのかなという反省が湧いてきますので、そういう意味ではボクにとって有意義なシード落ちでした」。
――シード落ちがあと10年後だったら!?
「もう這い上がるのは無理でしょうね。体力的にもきつくなっていると思うので、気力も付いてこないんじゃないでしょうか。そういう意味でも、今の時期にこんな経験ができてよかったと思います。もう一度、レギュラーツアーで優勝したいと強く思うようになれましたから」。
自らを平和主義、考えが甘いなどという横田真一だが、それは以前から分かっていたことで、自分らしさなんだと思いこんでいた。しかし、今回のシード落ちを経験し、改めてレギュラーツアーという輝かしい舞台を見つめなおし、その舞台で活躍するために必死になっている。苦い経験、辛い思いはしなくても良いことなのだが、今の横田のように経験し、それを乗り越えることでまた一つ選手としての成長に繋がる。そして、チャレンジでの経験は今後も選手会の要職を務め、ツアー全体を見る上でも、良い経験になるのだろう。横田のツアー2勝目、涙の復活優勝を1日でも早く見たい。