選手に“選択権”で好評 米ツアーで実施の9ホールプロアマ
◇米国男子◇AT&Tバイロン・ネルソン◇トリニティフォレストGC(テキサス州)◇7371yd(パー71)
開幕前に出場プロとゲストが回るプロアマ戦において、米ツアーでは選手が18ホールを回るか、9ホールで止めるか、選択できる大会が増えている。ツアーの広報担当者によれば選手や関係者から好評を博しているという。
プロアマの仕組みは、大会主催者に決定権がある。選択制のプロアマ戦の規定では、ゲストは通常より1人多い1組4人(+プロ)。米ツアーでは、前シーズンのフェデックスカップランキング上位選手はスタート時間を(決められた時間の中から)選ぶことができ、事前に9ホールか18ホールかを決める。9ホールを選択した選手の組には、後半に別の選手が加わる。
ツアーの担当者は「ゲストも2人の選手と一緒に回ることができて“お得感”があるという評価がある」。連戦の場合、長距離の移動を挟む選手の負担軽減にもなるとし、「どちらにとっても良いものであると思う」と続けた。
参加プロが増える分、以前ならプロアマ戦に出場できなかった選手でもゲストと接点を持つ機会にもなり、同担当者は「ここからサポートや契約に結びつく可能性もある」と期待を寄せる。実際に日本でも、昨季PGAツアーチャイナのプロアマ戦で太平洋クラブの社長と同組になった小斉平優和がその目にとまり、今年3月から太平洋クラブの所属になった。プロアマ戦を接点にした契約事例はゴルフ界では少なくない。
この仕組みは米女子ツアーが先に導入した。米男子ツアーでは昨季「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」を含む7試合で試験的に行い、今週の大会も昨年から実施していた。
世界の主要ツアーにおいてゴルフトーナメントは興行的な側面が強く、スポンサーやゲストを招くプロアマ戦が各国で行われる。日本の男女ツアーではプロアマ戦を欠場や棄権した場合、本戦に出場できない(女子ツアーはシーズン中1回に限り出場が許される)。プロアマ戦終了後には、全選手がゲストとともに表彰式などに出席するのが一般的で、現状では選手が途中で組を抜けるような仕組みは難しそうだ。
一方、米ツアーはプロアマ戦前日や当日にパーティなどはあるが、選手には参加を義務付けていない。ラウンド後はすぐに練習に打ち込める。今大会でいえば、AT&Tとスポンサー契約を結ぶジョーダン・スピースらが代表でパーティに参加するケースが多く、前出の担当者は「毎回5人くらいの選手にパーティに出てもらっている。参加者が少ない場合はツアーからお願いすることはあるが、義務ではない」と話す。
同担当者は「ツアー側は今後、このような仕組みのプロアマの試合が増えていくとみている」と述べた。(編集部・林洋平)