2018年 ザ・ノーザントラスト

ポイント荒稼ぎのアダム・スコット パター二刀流は本当か?

2018/08/27 11:55
シーズン終盤に入り調子を上げてきたアダム・スコット

◇米国男子◇ザ・ノーザントラスト 最終日(26日)◇リッジウッドCC(ニュージャージー州)◇7385yd(パー71)

不振の続いていたアダム・スコット(オーストラリア)が調子を上げてきた。プレーオフシリーズ初戦を通算12アンダーの5位タイとし、2週前のメジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」(3位タイ)に続く上位フィニッシュ。今季初めて連続トップ10入りを決めた。

全米プロの直前、フェデックスランキングは119位と低迷していた。125位までが進出できるプレーオフ出場を初めて逃す危機にあったが、全米プロを経て70位に浮上。さらに今週を終えて40位まで上げ、急ピッチでポイントを荒稼ぎしている

今季はパッティングに大いに苦しみ、パットの貢献度を示すストローク・ゲインド・パッティング(SGP)は、フィールド全体の100位台半ばから後半をさまよっていた。しかし今週は、4日間を通したSGPで1位を記録。グリーン上のプレーが光った。

スコットといえば、長尺パターを駆使して2013年の「マスターズ」を制覇した姿が印象的だ。2016年にアンカリング規制が施行されてからは普通の長さのパターを使用していたが、今年5月初旬から再び長尺パターに戻すなど、試行錯誤が見て取れた。

ヘッドカバーが突き出ているのが長尺パター。その手前に通常の長さのパターが見える

そのキャディバッグには現在、長尺パターと普通の長さのパターの2本が入っている。米放送局のCBSによると、ロングパットは普通のパター、ショートパットは長尺パターと、使い分ける意図があるという。とはいえ、実際にはこれまで長尺パターをメーンで使用している。スコット本人によると、普通のパターを使ったのは「WGCブリヂストン招待」での2回だけで、「ひとつは20フィート(6m)。もうひとつはタップインだ」と笑った。

パットの状態は上り調子。「ショートパターも良かったけれど、ロングパターに戻してから感覚がさらに良くなったんだ」という手応えは、今週より深まったはずだ。フェデックスランク30位までが進出できる1ヶ月後の最終戦への進出も、現実味を帯びてきた。(ニュージャージー州パラマス/塚田達也)

■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

2018年 ザ・ノーザントラスト