2016年 バレロテキサスオープン

米国ツアーで夫婦が同じ日に優勝争い

2016/04/25 14:51
ジェリーナ夫人と夫のマーティン。ピラー夫妻はこの日、カリフォルニアとテキサスでそれぞれ優勝争いを演じた(左:Robert Laberge/Getty Images)

米国女子ツアー「スウィンギングスカートLPGAクラシック」で通算2勝目を飾った野村敏京。最後は後続に4打差をつけて逃げ切ったが、最終日の中盤に米国のジェリーナ・ピラーが一時2位に迫った。同選手は米国男子ツアーでプレーするマーティン・ピラーという選手の夫人。夫はこの日、「バレロテキサスオープン」で4位フィニッシュ。夫婦がそれぞれのトップツアーで、同じ日に優勝争いを演じた。

妻のジェリーナは31歳。まだ優勝経験がないが、女子の欧米対抗戦「ソルハイムカップ」に2013年、15年と2大会連続で米国選抜の一員となった実力者だ。今週は結局3位で終え、今季の4度目のトップ10入りを果たした。

30歳のマーティンは、初めてシード選手として参戦した2011年にツアーカードを喪失。昨季下部ウェブドットコムツアーで2勝を挙げ賞金ランク2位となり、苦労の末に今季レギュラーツアーに復帰した。

縁はもちろんゴルフ。ともにテキサス州の別の大学を卒業し、プロ転向して数年が経った2009年11月。NASCAR(全米のストックカーレース)のスタッフたちがダラス近郊でのレース期間中にゴルフを楽しんだ際、ふたりは地元のプロゴルファーとして会場に招かれた。それぞれが別口からの招待だったが、たまたま一緒のカートに乗って時間を過ごしたことがきっかけ。大自然に包まれた密着空間で意気投合…というわけではなく、その後の「自信家の彼の“押し”がスゴかった」というのが妻の弁。11年1月に結婚した。

夫のマーティンはこの日、中盤に一時首位に立つ活躍で、自己ベストの4位タイの成績を残した。2時間の時差も相まって、自身がホールアウトした直後にカリフォルニアでティオフした妻については「彼女のプレーをテレビで観てもドキドキしないんだ」という。

「彼女は世界屈指のゴルファーのひとりだし、日に日にうまくなっていく。彼女のゴルフを思い浮かべるときは『真っ直ぐ遠くに飛んだぞ。バーディだ』って思えるんだ。でも自分のこととなるとね…彼女のゴルフは実に簡単そうなんだ」

仲睦まじい夫婦の想いは時空を超えても一緒。こちらも初優勝を逃したジェリーナは言った。「(きょうは)自分のことよりも彼のプレーの方が心配だったのよ」(テキサス州サンアントニオ/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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