2016年 ノーザントラストオープン

リビエラCCで、ツアー最長の30年間君臨する記録とは?

2016/02/18 10:26
名物ホールの10番パー4。短いホールだが、攻略は一筋縄ではいかない。(写真は2015年 Chris Condon/PGA TOUR)

今年、米国男子ツアー「ノーザントラストオープン」に初参戦する世界ランキング3位のロリー・マキロイ(北アイルランド)は、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊にあるリビエラCCを評してこう言った。「ここは、“考える人”のコースだね」。

1926年にジョージ・トーマスによる設計で誕生した18ホールは、パー71で全長7322yd。「めちゃくちゃ距離が長くてティショットをかっ飛ばさなくちゃいけない、ということはなく、とても戦略的なコース。フェアウェイの正しい位置に置かないといけないし、グリーンの正しい面に載せないといけない」とマキロイは続けた。

「ノーザン―」の前身である「ロサンゼルスオープン」がここで初開催されたのは1929年のこと。48年には「全米オープン」の舞台ともなり、47年、48年の「ロサンゼルスオープン」と48年の「全米オープン」をすべてベン・ホーガンが制したことにより、リビエラCCには『ホーガンズ・アレー(ホーガンの小路)』の呼称がついた。

名物ホールも少なくない。1番はクラブハウス前のティグラウンドから、約21m下のフェアウェイへと打ち下ろす。6番(パー3)はグリーンの真ん中のバンカーがあり、ジョーダン・スピースはピンポジションによって異なる攻め方を「2つの違うパー3をプレーするようなもの」と表現した。

433ydの8番はフェアウェイが左右に分かれ、その間には深いラフとバンカーが横たわる。315ydの10番はツアーで最も有名な1オン可能なパー4の1つ。距離は短いが一部のグリーン幅は7ydと狭く、周囲をバンカーに守られているために1オンはおろか、バーディを獲ることも容易ではない。

今大会の72ホール最少ストロークは264(20アンダー)。これは米ツアー通算21勝を挙げたラニー・ワトキンスが1985年に記録したもので、現在『ツアー史上最も長い間破られていない大会最少ストローク』(30年間)として記録を更新し続けている。参考までに、これに続くのは「アーノルド・パーマーインビテーショナル」(フロリダ州・ベイヒルC&ロッジ)で、87年にペイン・スチュワートが記録した264ストロークというものだ。

ディフェンディングチャンピオンのジェイムス・ハーンは言う。「それこそ、リビエラが名コースと言われるゆえんだと思う。道具が進化して我々の飛距離が伸び、グリーンの刈り方も綺麗になった。でも力でこのコースはねじ伏せられないことを歴史が証明している」。

2001年には伊澤利光が6人のプレーオフの末に敗れて2位となり、04年には丸山茂樹が優勝したマイク・ウィアに1打届かず2位となった。過去の日本人選手の活躍も決して偶然とは言えないだろう。(カリフォルニア州パシフィックパリセーズ/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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