2位浮上のバデリーと予選落ちの石川遼との違い
米国男子ツアー「トラベラーズ選手権」の3日目に、通算12アンダーの単独2位に浮上したアーロン・バデリー(オーストラリア)。初日の「67」から始まり、2日目は「66」、そして3日目に「65」と日々スコアを伸ばしてきた。
予選2日間は石川遼と同組でラウンドしたが、バデリーは目立ってショットが良かったわけではなかった。開催コースのTPCリバーハイランズは、全長6841ヤードのパー70と距離は短いが、要所で左右幅が狭く、ショットを曲げるとトラブルになることがある。
予選2日間でバデリーは7アンダー、一方の石川は3オーバー。ティショットでのフェアウェイキープはバデリーが2日間で28ホール(パー3を除く)中20に対して石川は11。この9つの差がそのままスコアになったようにも見えるが、数字以上の差がコースマネジメントに現れていた。
それは、ミスしたときに打ってはいけない所をいかに避けるかだ。2日目のラウンド後に石川は「ボールが何処にいくか分からない・・・」と話していた通り、コントロールが効かなかったのは事実で、2日連続で2番は左の斜面に打ち込み、13番も同じ池に入れるなど、自ら苦しい展開を招いてしまった。距離の短い15番で石川は、左サイドのラフからピン奥20メートルに2オンして3パットのボギー。バデリーは左の手前に切られたピンに対しフェアウェイの花道から2打目をランニングアプローチでピンに寄せて無難にパーセーブをした。
それ以外でもバデリーはティショットでミスをしたら、確実にパーが獲れるようにグリーン手前のカラーかフェアウェイを狙い、ボギー石川の9個に対し2日間で3個に抑えた。予選を終えたバデリーは「難しいコースだけど、安全に無理せずできたことでストレスはない」と話していた。
もちろん、ショットの状態が良いか悪いかで攻め方も変わる話ではあるが、ラウンド中ショットのことばかり考えてうつむいて歩き続けた石川と、気持ちに余裕を持ってラウンドしたバデリーとのもっとも大きな違い、それは笑顔の数だった。(コネチカット州ハートフォード/本橋英治)