キム・ヒョンソン 超過密日程も“夢”のため
オハイオ州にあるミュアフィールドビレッジGCで開催される米国男子ツアー「ザ・メモリアルトーナメント」開幕を2日後に控えた火曜日、米国でも屈指の練習施設で晴れやかな表情を見せていたのは、今年の日本ツアー賞金王争いをリードするキム・ヒョンソン(韓国)。「ここ(米国ツアー)でプレーするのがドリームですから」と、憧れの雰囲気に目を細めていた。
ヒョンソンは今大会に主催者推薦で出場する。打診が来たのは3週間ほど前だというが、「もちろん出たい」と即答した。初めて目にしたミュアフィールドビレッジGCだが「難しいけど、そういうスタイルのゴルフが好き」と、気持ちは高ぶるばかりだ。
米国ツアーで活躍する韓国人選手は数多い。「K.J(チェ・キョンジュ)先輩も、YE(Y.E.ヤン)先輩もいるし、サンムンもドンファンもいる。一緒に食事に行ったり、練習したりしますね」と、孤独を味わうことも無い。「自信はあります。目標はトップ10」と、ゴール設定も明確だ。
だが、ちょっぴり心配なのはここ最近の過密日程だ。国内開幕戦の「東建ホームメイトカップ」から「つるやオープン」、「中日クラウンズ」と3連戦。今季初優勝を果たしたクラウンズ後は、韓国で3連戦した足でここミュアフィールドビレッジに乗り込んできた。
「休み無く7週目なので、ちょっと疲れています」と本音もポロリ。とはいえ、本当に辛いのはこの先だ。今週の「ザ・メモリアルトーナメント」が終わった翌月曜日には当地で「全米オープン」予選の36ホールを戦い、火曜日に米国を出て、日本に戻るのは水曜日夜。そして、ぶっつけで初日を迎えるのがディフェンディングチャンピオンとして挑む「日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯」なのだ。「全米オープン」予選を今週月曜日に日本で受けるというオプションもあったが、“この試合が大事”ということで後に回した。
また、もし目標のトップ10を達成すれば、次週の「フェデックス セントジュードクラシック」の出場権が転がり込む。「それは、(考えると)頭が痛いです」と顔をしかめたヒョンソン。現時点で考えるのは無意味だが、もしそれが現実となった場合には、夢と位置づける米国ツアーでの戦いと、ディフェンディングチャンピオンとして迎える国内メジャー大会の狭間で苦しい決断を迫られることになる。(オハイオ州ダブリン/今岡涼太)