2014年 シェル ヒューストンオープン

石川遼に「ダブルボギー」が多いのはなぜか?

2014/04/06 08:12
失敗を恐れず、石川遼は米ツアーでも“自分のゴルフ”の探求を続けている

テキサス州のゴルフクラブ・オブ・ヒューストンで行われた「シェルヒューストンオープン」の3日目。55位タイからスタートした石川遼は、4バーディ1ボギー“1ダブルボギー”の「71」で回って通算2アンダーとし、30位タイへ順位を上げた。

前日苦しんだパッティングは「始動からフィニッシュまで少しリズムが一定じゃなかった」と気付いて修正。3つのパー5で確実にバーディを積み重ねたが、5番のダブルボギーが悔やまれた。…少なくとも見ている者にとっては。

左サイドの池を抱き込むようにゆるやかに左ドッグレッグし、右サイドもハザードとなっている480ヤードの5番(パー4)。ドライバーを握った石川のティショットは「今日1回のミスショット」で池に消えた。ティの少し前方から打ち直し、4打目でピン上6メートルにつけて2パット。最後は2メートル弱のダボパットをねじ込んだ。

「あのホールで池に入れてダボを打ったということよりも、ドライバーで1日1回のミスショット(しか出なかった)だったということの方が大きな部分。なので、全く悔いはない」と、石川は想像以上に清々しい。

1試合平均で1.27個。これは、今シーズン(前週まで)のPGAツアーで石川が記録したダブルボギー以上のホール数だ。さらに、ホール毎のパフォーマンスを見ると、パー5が全体で4位(平均スコア4.54)、パー4が85位(4.04)、パー3が103位(3.06)。スクランブリングは53.42%で158位に位置している。

これは何を意味しているのか?「スタッツはあまり気にしない方」という石川は、「どちらかというとパー3は得意なイメージ」と数字と現実のギャップを指摘する。「(パー3で良く使う)4Iも意外と自信があったりするんですけどね…」。

PGAツアーの開催コースが、リスクと報酬のバランスで作られていることも関係しているだろう。自信を持って果敢に攻めた時に数少ないミスが出ると、それが致命傷となってしまう。「そうかもしれない」と石川もうなずいた。

松山英樹の1試合平均ダブルボギー数は0.75個。この違いを<成長の道筋が違う>ことの表れと捉えて取材を続けている。慎重を期すのか、理想を目指すのか。「失敗は成功の母」という言葉通り、このミスを極限まで抑えられた時、石川に大きな飛躍が訪れるに違いない。(テキサス州ヒューストン/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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