2014年 バレロテキサスオープン

テキサス・ウェッジはいずこへ?

2014/03/30 09:09
“通常の”ウェッジショットを放つボウディッチ。ツアー初勝利に王手をかけた(Darren Carroll/Getty Images)

ゴルフファンなら、“テキサス・ウェッジ”という言葉を聞いたことがあるだろう。グリーン外からパターで打つこのショットは、テキサス州出身のベン・ホーガンが広めたと言われている。かつて、テキサス州のゴルフ場は硬く、乾いたフェアウェイが特徴で、アプローチにはリスクのあるウェッジよりもパターが好まれた。

当時のグリーンは今とは比べものにならないほど遅く、スティンプメーターではしばしば5~6フィートだったと言われている(現在は8~14フィートほど)。そのため、パターのロフトは現在よりも寝ていて、今よりもアプローチには適していた。

時は移り、コースは絨毯のような芝に覆われ、グリーンも時に“ガラス”と形容される程スムーズになった。「バレロテキサスオープン」の会場、TPCサンアントニオももちろん例外ではない。

PGAツアー初優勝に向けて単独首位に立つスティーブン・ボウディッチ(オーストラリア)は、3日目の1番でグリーン手前からチップインバーディを奪うと、続く2番(パー5)も28ヤードを直接沈めるチップインイーグル。好スタートは共に“テキサス”ではないウェッジで成し遂げた。

現在、プロの世界で“テキサス・ウェッジ”を見ることができるのは、全英オープンなどのリンクスコースに限られてきてしまったが、アマチュアの皆さんは次の格言があることを知っておいて損はないだろう。

「ミスパットは常にミスチップよりも悪くない(A bad putt is always better than a bad chip.)」個人的にも大いに同感だ。(テキサス州サンアントニオ/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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