2013年 HP バイロンネルソン選手権

遼、赤パンツ集団と「一体感を出したい(笑)」

2013/05/16 11:18
状態は上々。期待を感じさせる練習ラウンドの石川遼だった。

「バイロンネルソン選手権」開幕前日の水曜日で、久々のプロアマラウンドを行った石川遼。「なんでこの試合に限って入れてくれたのか分からないけど、今週すごく久しぶりにプロアマに入っていて。昨日、ああいう赤いパンツを穿いた人に挨拶にいったときに、すごくウェルカムされました。久しぶりに自分のことをみんな見てくれていたんだなと感じました」と、率直な感想を語った。

今大会のボランティアとして働く赤パンツ集団。彼らは、ここダラスで働くビジネスリーダー達。子供たちとその家族の生活を向上させることを目的とし、1920年に組織されたセールスマンシップクラブというのがその正体だ。彼らはこの大会を通してチャリティファンドを形成し、地域へと還元する。昨年大会だけでその額は537万ドル(約5億4700万円)に達し、過去45年間での総額は1億2700万ドル(129億5400万円)というから驚きだ。

余談だが、“ダフナリング(#dufnering)”という言葉が生まれたのは、ディフェンディングチャンピオンのジェイソン・ダフナーが今年3月にセールスマンシップクラブのジョンソンスクールを訪問したときのこと。子供達に混じって、床に座り両足を伸ばしてリラックスしている様子が、おもしろおかしくソーシャル上を駆け巡った。

コース各所にいる赤パンツ集団。最終日、石川はこの格好で盛り上げられるか?

石川にとっては慣れ親しんだルーティンのプロアマを終えたこの日、「こっちの方が全然いいですね」と語気を強める。「今日も雨が降ったり、水をまいたりして、フェアウェイもグリーンも軟らかくなっていた。火曜日と違う状況が生まれることが多いので、水曜日回れるのはやっぱりいいことだと思います」。

4週前の「RBCヘリテージ」では、3日目を終えて6位タイにつけていた。初めてのコースで火曜日に練習ラウンドし、水曜日のプロアマには出場しなかった。「最終日は自分のやるべきことが出来なかっただけで悪い内容ではなかった。練習ラウンドを1回しかしなくて、あの成績は心強い。参考になる経験でした」と振り返る。今週はそれ以上の準備が出来ているから、いやがおうにも期待は高まる。

「今日、ショットは全体的にまっすぐ行っていました。スイングに関しては、(気になるのは)ほんの僅かなことですね」。今週の目標を尋ねると「優勝争いです」と即答した石川。赤パンツ集団に「感謝じゃないですけど、日曜日にあの服装をして一体感を出したいですね(笑)」と笑顔を見せた。(テキサス州ダラス/今岡涼太)

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