T.ウッズ 世界一奪還への道 交際発表は「子供たちのため」
21日(木)に開幕する「アーノルド・パーマーインビテーショナル」で今季3勝目、昨年に続く8度目の大会制覇を狙うタイガー・ウッズが今週、公私にわたって注目度を一層高めている。
この試合を前に、ウッズは18日、アルペンスキーヤーの五輪金メダリスト、リンゼイ・ボンと交際中であることを正式に発表。そしてこの騒動はプロアマ戦の行われた開幕前日20日(水)の公式会見でも話題に挙がった。
「同じようにアスリート同士のカップルであるマキロイ(テニス選手のウォズニアッキと交際中)にアドバイスを請うか?」という質問には「そんなプランはない。ノーだ」と一蹴。それでも交際報道が勃発後、自身のフェイスブックで公にしたことについて「単純なことだよ。僕たちが今、幸せであるということもそうだけど、付きまとうパパラッチや、いかがわしいウェブサイトを取り締まらなくちゃいけない。僕の子供たちにとっても、とても危険な状況だった」と事態の鎮静化を図るための措置であったことを説明した。
プライベートな問題はさておき、ウッズは大の得意コースであるベイヒルでの今年の戦いを、節目の一戦とできるだろうか。2週前の「WGCキャデラック選手権」で今季2勝目を挙げ、現在世界ランクトップのマキロイに急接近。その若き王者は今週をオープンウィークとしており、ウッズが優勝、上位進出となれば2010年の10月以来、約2年5か月ぶりに1位に返り咲く可能性が高い。そして自身も「1位の座を奪うことは簡単なことではない。みんなは世界一になることがどれだけ大変か分かっていると思えないんだけど」と、その価値を大いに見出している。
11年11月には58位まで沈んでいたが、スイング改造を進め、故障を乗り越えて、再びこのポジションまで這い上がってきた。だがそれは後退した道を、もう一度歩み直してきたわけではない。
「昔の良かった頃の自分に戻りたいとは思わない。もっと上手くなりたいんだ」。
ベイヒルには様々な縁がある。1991年にジュニアトーナメントを制し、その後パーマーと初めてプレーを共にした場所。また、オーランドには離婚騒動勃発前まで住んでいた家(つい最近、バッバ・ワトソンが引っ越してきた)があり、パーマー基金をもとに設立された病院で子供たちは産まれた。過去と未来が交錯する思い出の地で、タイガーは復活の次なる一歩を踏む。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw