オーガスタの女性会員問題に大統領も反応
今季の海外メジャー初戦「マスターズ」は3日目を終えて、ピーター・ハンソン(スウェーデン)が通算9アンダーの単独首位。1打差でフィル・ミケルソンが追う展開で最終日を迎えることになった。
ところで、今大会を迎えるにあたって舞台のオーガスタナショナルGCは、ひとつの話題に沸いていた。今年1月、同コースのメンバーに代々迎えられていたIBM社のCEOに初めて女性のバージニア・ロメッティ氏が就任。オーガスタには開場以来70年以上も女性メンバーがおらず、クラブの対応が注目されていた。
開幕前日に行われる毎年恒例の、マスターズ委員会による公式インタビュー。報道陣の質問に、ビリー・ペイン会長は「メンバーの話は個人の、クラブのプライベートな問題」という回答の一点張りで、詳細について話すのを“拒否”。険悪な雰囲気が漂い、主催者側に打ち切られるように質疑応答の時間は終わった。
AP通信などによれば、ついには米国トップまでこの話題に反応。ホワイトハウスのスポークスマンは、バラク・オバマ大統領の、あくまで個人的な意見として「決めるのはクラブだが、女性も受け入れるべきでは」という考えを明らかにした。
オーガスタナショナルは、かねてから人種差別の観点からも鋭い視線を集めていたことでも有名。また、タイガー・ウッズが初優勝した97年には、ファジー・ゼラーによる翌年のチャンピオンズディナーについての発言が大問題になった。
ゴルフの祭典という華やかな一面に潜む数々の問題。マスターズを取り巻く話題は、「ひとつのトーナメント」の枠をはるかに超えた大きさを感じずにはいられない。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw