悪天候のオーガスタ “特別ルール”採用も?
春の訪れを告げるゴルフの祭典「マスターズ」。ジョージア州のオーガスタナショナルGCは、一面の緑と色鮮やかな花々が人々を歓迎する美しき場所だ。ところが今年は、そんな修飾語がなんだか当てはまらず、どうもしっくり来ない。
オーガスタの名所のひとつが、後半インの11番、12番、13番のアーメンコーナー。プレーヤーが神に祈るほど難しいとされることが愛称の由来だが、一方でアゼリアなどが彩るホールは撮影スポットのひとつでもある。だが今年は暖冬の影響で、早くも前週に見ごろを迎えてしまい、連日の雨ですっかり枯れ落ちてしまった。
トーナメントウィークに入っても、夜間には激しい雷雨がコースを襲っている。そして開幕前日の4日(水)にはついに日中に雨粒が落ち始め、パー3コンテストを中断、そのまま終了させた。現在のところ、オーガスタ地方の天気予報は、初日には依然として雨雲が残り、最終日に向けて好転する見通しだが、予選ラウンドは不安定なスケジュールを余儀なくされるかもしれない。
そしてこの天候、コースコンディションを受け、大会序盤は“特別ルール”が採用される可能性が出てきた。コース上でボールに付着した泥をふき取り、リプレースできる「リフト・アンド・クリーン」。マスターズ委員会のビリー・ペイン会長はこの日の公式会見で「そういう状況になってほしくない。決断は難しい」とコメント。今年で76度目を迎える大会でも異例の措置となるが、競技委員の判断、それ以前に、空模様が注目されている。
同大会で目立った遅延、サスペンデッドがあったのは、直近では2008年大会。第1ラウンドが霧のためスタートが遅れ、第3ラウンドは雷のため日中に45分間の中断があった。06年には3日目の約4時間の中断を受け、最終日に第3ラウンドが持ち越されている。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw