2011年 全米プロゴルフ選手権

池田勇太と石川遼 “てれこ”で活躍する2人

2011/08/15 11:01
メジャーで2大会連続で決勝ラウンドを戦った池田勇太は、石川遼を抜いて賞金ランキング2位に浮上

米ジョージア州アトランタ アスレチッククラブで開催された今季の海外メジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」はキーガン・ブラッドリーのメジャー初優勝で幕を閉じた。タイガー・ウッズロリー・マキロイらビッグネームが優勝争いに加われず、“無名選手”にスポットライトが当たった今大会、日本勢では5人の出場者のうち、池田勇太だけが決勝ラウンドに進出。上位進出はならなかったが、6人が出場した「全英オープン」に続いて意地を見せた。

ところで、前週「WGCブリヂストンインビテーショナル」では石川遼が優勝争いを演じたのに対し、池田は75位と低迷。石川が最終組を回った最終日はトップスタートだった。そして今大会では石川が初日「85」の大乱調で予選落ち。この2人のタレントは賞金王を争う国内トップクラスの実力者だが、どうも一緒に活躍するというトーナメントが特に海外では少ない。今季の4大メジャーは石川が「マスターズ」と「全米オープン」で予選を通過。そして池田が前述のとおり「全英」と「全米プロ」で決勝ラウンドを戦った。

国内ツアーでも、ともにハイペースで通算9勝ずつをマークしていながらも、2人が過去に最終日最終組をともにし、優勝争いを演じたのは2009年の「コカ・コーラ東海クラシック」だけ。今季もどうもそれぞれの上位進出の数に対して、ともに活躍した試合は少ないように思えてしまう。

今年の4大メジャーも幕を閉じ、ウッズやマキロイの周囲は既にオフの話題もちらほら。だが日本ツアーはここから争いが本格化する。来季の米ツアーのシード権獲得が絶望的となった石川は、予選落ちした直後「いまは日本のゴルフ界が盛り上がっている時だと思う。そういったものを押し上げていきたい」と話した。今後、世界進出を狙う2人の対決・・・再興の兆しを見せている国内男子ツアーの盛り上がりは、もう少し“伸びしろ”がありそうだ。

池田は今大会で、賞金2万1500ドル(約180万円)を獲得し、石川を抜いて賞金ランク2位に浮上。昨年度賞金王で、今季も現在トップを走るキム・キョンテ(韓国)は、「ザ・プレジデンツカップ」と来季の米ツアー参戦を見据えた予選会に参加するため、終盤の3試合を欠場する意思を示しているだけに、やはりこの2人を“本命”としてレースは展開されそう。「(調子の)波を少なくできる選手が世界のトップにいられる」と石川。2人の“波”がシンクロし、大きなうねりとなるかは秋からのお楽しみ、となるだろうか。(米ジョージア州ジョンズクリーク/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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