2014年 インターナショナルクラウン

残酷すぎる結末?首位と2ポイント差の米国がプレーオフで姿を消す

2014/07/27 12:46
プレーオフを戦った朴仁妃とリュー・ソヨン。勝って安堵の表情を見せた

第1シードの米国と、第2シードの韓国が最終日に進出できる5位の座をかけて戦ったサドンデスのプレーオフ。陽も暮れかかった「インターナショナルクラウン」3日目の夕刻に、残酷なファボールマッチが行われた。

このプレーオフは、各国2名ずつ出場するベストボール方式だが、通常と違う点は採用される良い方のスコアが同じ場合は、もう1人が記録した悪いスコアも比較されるということ。1ホール目の16番(パー5)で韓国は朴仁妃、リュー・ソヨンが共にバーディ。だが米国は、クリスティー・カーはバーディを奪ったものの、レクシー・トンプソンはパーに終わった。その結果、韓国の最終日進出が決定した。

正規のマッチで日本の宮里美香比嘉真美子を4&3で下していた韓国のリューは言う。「今日、私たちのマッチは15番で終わった。だから、インビーが私に言ったの。『これは私たちがやり残したこと。良いゴルフをしましょうね』って。インビーの言葉で自信を持てた。この試合は国のために戦っているけど、プレーオフは(宮里藍横峯さくらに敗れた)ナヨンとI.Kのために戦ったわ」。

コースには韓国国旗があふれ、熱烈な応援はプレッシャーにもなる。「メジャー大会などで自分のために戦っているときは、プレッシャーも感じるし心配もする。でも、今回は何も感じなかった」と朴。「どうプレーしたのかも覚えてない。ただピンしか見えなかった。他に何も聞こえないし、何も見えなかった。本当に緊張したの」。

プレーオフで敗れ、今にも泣き出さんばかりだったレクシー・トンプソン

一方、プレーオフで負けた米国は、自国開催でありながら最終日にプレーすることを許されない。その責任を一番感じているのは、19歳のレクシーであろう。

敗退が決まった後の会見で、記者が投げかけた1つの質問がある。「レクシー、君のプレーオフでの2打目が、もし(グリーンエッジに留まって)手前に落ちてこなかったらどうなっていたか考えるかい?」

だが、この質問にレクシーが答えることは出来なかった。ステーシー・ルイスがすかさずマイクを握り、「私たちは、彼女にそれを考えさせないわ」。続いて、カーが「答えはノー。私たちが代わりに答えるけど、それはノーよ」と言う。「彼女は2つの素晴らしいショットを打ったし、やるべきことをやったの」とステーシー。「彼女はここ数日で一番良いプレーをしていた。彼女のプレーを見るのは、最高に楽しかったわ」とカー。レクシーは両隣にいる2人を見て、戸惑った笑みを浮かべただけだった。

最終日のシングルス戦に出場できるのは、8カ国中上位5カ国のみ。各国が4試合を戦うため、最大8ポイントを加算することができる。首位の日本はここまで計8ポイントで、5位の韓国はわずか2ポイント差の6ポイント。プレーオフで敗退した米国も6ポイントを稼いでいた。

「首位と2ポイント差しかないのに、明日プレーできないなんて狂っている。もし明日プレーすることができるなら、私たちが勝つことができると思う」と息巻いたステーシーだったが、これはただの負け犬の遠吠えには聞こえなかった。(メリーランド州オーウィングスミルズ/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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