2014年 全英リコー女子オープン

単独首位が一転 アン・ソンジュは微妙な裁定で2位へ後退

2014/07/13 02:34
18番の第2打、カメラのシャッター音に顔をしかめたアン・ソンジュ(「Pentax K-3」にて撮影)

海外女子メジャー「全英リコー女子オープン」3日目、フィニッシュした時点では、この日3つスコアを伸ばして通算5アンダーの単独首位に浮上していたアン・ソンジュ(韓国)が、ホールアウト後に2罰打を課され、スコアは通算3アンダー、2位へと修正された。

問題とされたのは18番の第3打。グリーン左手前バンカーのアンのライは、あごに近く、左足上がりとなる場所だった。アドレスを取ろうとすれば、砂は自然と崩れて足が埋まるが、この行為がゴルフ規則13-3「スタンスの場所を作る」という項目に違反するという裁定を受けた。

大会を運営するLGU(Ladies Golf Union)のトーナメントディレクター、スーザン・シンプソン氏は、こう説明する。「ルール13-3では、プレーヤーがスタンスをとるためにしっかりと足を置くことは許されているが、スタンスの場所を作ってはいけないと規定されている。バンカー内で彼女(アン)は自分の足で砂を動かし、この規則に違反した」。

2罰打を受けたバンカーショット。その裁定基準はとても微妙だ(「Pentax K-3」にて撮影)

つま足をグリグリとその場で左右に動かして安定させるのはOKだが、意図的に水平のスタンスを作るのはNGという。だが、その差は微妙といわざるを得ないだろう。

「普通にやるのはいいけど、フラットにするのはダメだと言われた」とアン。「納得は…、はい。ルールはルールなんで」と不平を口にすることは無かったが、後味がいいはずはない。

その直前、18番フェアウェイからの2打目では、トップからインパクトにかけてカメラのシャッター音が鳴り響いたことがアンのミスショットを誘発していた。アンはカメラマンをにらみつけ、この外国人カメラマンはその後アンに謝罪した。また、3打目のバンカーでの行為について大会へ問い合わせを入れたのも、TVモニターを見ていたESPNのスタッフだったという。

「悔しいは悔しいです。今日はフェアウェイも外さなかったし、グリーンも外していない。風もうまく読めていた。明日1日残っているので、頑張りたいです」。強さが生まれるのは、こんな時なのかもしれない。(英国サウスポート/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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